OCEANS

SHARE

  1. トップ
  2. ライフ
  3. 「逮捕されても悔いはない」。人助けに命を賭ける理髪店オーナー(38歳)、“二刀流”の生き方

2025.04.24

ライフ

「逮捕されても悔いはない」。人助けに命を賭ける理髪店オーナー(38歳)、“二刀流”の生き方



「セカンドキャリアのリアル」とは……

「どちらのキャリアが“セカンド”なのか……。転職したわけじゃなくて、2つの道をずっと並走してきたんですよね。記事は好きに書いてもらっていいですよ」。

東京・中野で理容室を営み、依頼があればトラブルの仲裁役もする。過去には、犯罪を未然に防ぎ“素人捜査員”として報じられたこともある。
advertisement

理容師と人助け。不可思議な二足の草鞋を履く日下鉄也さん(38歳)が、今回の主人公。早速、彼のキャリアを探っていこう。

【写真10点】「『逮捕されても悔いはない』。深夜営業の理髪店オーナー(38歳)が人助けに命をかけるワケ」を写真でチェック
話を聞いたのはこの人!

日下鉄也●理容師歴18年、セキュリティ歴14年。理容の経営コンサルや防犯ボランティアチー厶の立ち上げや指導等を行う。

「東日本大震災で、人生のスイッチが入りました」



日下さんが東京・中野にバーバーショップ「バックアレイ」を開業したのは、2023年10月のこと。2年目になる現在、夜20時から朝7時までというニッチな営業体制で顧客を掴み、木曜と金曜に限っては24時間営業というハードスケジュールをこなす。定休日も設けていない。

「若い頃から格闘技をやっていて、山本KIDさんに憧れてました。真剣にプロを目指した時期もありましたが、『何か資格くらい取っておけ』と親に説得されて、地元・仙台の専門学校で理容師の資格を取得したのが20歳のときです。

卒業後は仙台の小さい理髪店に就職して4年間勤めました。プロの道は諦めたものの格闘技はずっと続けながら、地元をなんとなくぷらぷらしながら過ごす。そんな日々でした」。



2011年3月11日、日下さんの人生を変える出来事が起きる。多くの人生を一変させた、東日本大震災だ。24歳だった当時をこう回顧する。

「仙台市の自宅は内陸部にあったので津波はこなかったし、幸い、家も倒壊しませんでした。だけど、もっと生きたかったであろう人たちが、たくさん亡くなった。その事実は今でも忘れられません。

誰しも人生のスイッチが入るタイミングってあると思います。それが僕にとっては震災だった。こんなことを安易には言えませんが、『死んだっていい』。そう思えるくらい命をかけて生きてやろうと、覚悟を決めた瞬間でした」。
2/4

次の記事を読み込んでいます。