レジェンドがベースに選んだトヨタの「ダルマ」
1972年式トヨタ「セリカ」
1972年式の初代トヨタ「セリカ」、通称「ダルマ」を知っているなんて、かなりの旧車通!?
カスタムしたのはステファン・パパダキスだ。実は彼、高校生だった1990年代初頭からホンダ「シビック」をイジって、アンダーグラウンドなレースからモータースポーツ界に入り、2003年にはドラッグレースでホンダシビックをカスタムして当時の最速記録を樹立したドライバーなのだ。
リップスポイラーやリアウイングを装着。
さらに2005年からはドリフト競技(フォーミュラD)にホンダ「S2000」で自ら参戦するとともに、レーシングチームも結成。
彼のチームは日産フェアレディZや「サイオンtC」(トヨタが北米で販売していたクーペ)、トヨタ「カローラ」のハッチバックなどで輝かしい戦績を収め、彼は何度もチーム・マネージャー・オブ・ザ・イヤーに輝いている。現在も彼のチームはトヨタ「スープラ」でフォーミュラDに参戦中だ。
インテリアはブラックのバケットシートを備えるなど、シックにまとめられている。
そんな日本車に長けたレジェンドドライバーが、20年以上も納屋に放置されていたこのダルマセリカを引っ張り出して、SEMAショー2024にその成果をお披露目した。
当時の2Lエンジンをレストアするとともに、排気量を2.2Lまで高め、8000回転まで回るようにして最高出力も170psまでアップ。ブレーキやサスペンションも強化され、フェンダーを張り出して幅広タイヤを収めた。
オリジナルデザインのホイールを履く。
こうして出来上がった“ダルマ”は、ドラッグレースやドリフト競技のドライバーという経歴からすれば、かなりお上品なマシン。
やはりアドレナリンが沸騰するレースからのクールダウンをしながら走らせる車は、こういう大人なレストモッドがしっくりくるのかも知れない。
3/3