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“原色ブーム”は果たして来るのか



こがけん 2025年のブレイクスニーカー予想ですよね。僕はちょっと多めに持ってきましたので、バババッと説明していきたいと思います。前回の「2024年のベストスニーカー」と同じく、どれもお気に入りばかりです。

小島さんのランニングシューズ、平さんのアウトドアシューズという流れを受けて、まずはこちらのサロモン(「カー / ラート ド ロートモービル×サロモン XT-4 & スピードクロス 3」)から。


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小島 「カー / ラート」なんて呼ばれていますね。

こがけん そうです。デザインは90年代のレーシングカーからインスパイアされたもの。「カー / ラート」のデザイナーは、もともとはフランスのカーディーラーなんです。無類の車好きで、いろんなところに顔が利いて、おしゃれなんですよ。

そうだ、ちょっと待ってください(と言って「カー / ラート」のキャップを取り出す)。



 おっと、キャップを替えましたね。ちょっと被り方を直しますね。一応本職はスタイリストなので。

こがけん ありがとうございます。何が言いたいかというと、「カー / ラート」はモノ作りにすごくこだわるブランドだということ。このキャップも型から作っていて、車の刺繍もめちゃくちゃ凝ってます。フォルムも上品じゃないですか。モードな服だったり、それこそタクシードと合わせても渋いなと思えるような。

このサロモンもレーシングカーからインスパイアされたという話ですが、日本の歌舞伎の色使いにも通じるところがあります。



 確かに、歌舞伎の隈取りみたいなカラーリングだ。

こがけん で、このサモロンの流れからの、ナイキです。

小島 「エア マックス 1×ジャックムス」ですね。



こがけん そのとおり。このジャックムス、原色赤の1色使いですよね。先ほどのサロモンも赤と青の原色。で、ナイキとNIGOさんのこれ(「エア フォース 3 LOW × NIGO」)も、原色のマルチカラーなんですよ。



 NIGOさんのはすごくこだわってますよね。

小島 遊び心が半端ないです。

こがけん 箱もいいですし、中には“N”のワッペンも入っている。このワッペンで5000円くらいするんじゃないかって(笑)。このサロモンと、ナイキの2足を例にして言いのは……みんな今、なぜか原色を避けているのでは?ってことなんです。



小島 (うなずきながら)確かに、モノトーンの流れが長かった。原色ではない中間色や、アースカラーも多いように思います。

こがけん そこなんですよ。改めて僕が持っているスニーカーを眺めてみると、インラインよりもコラボが多いんです。コラボものは基本的にトレンドを追いかけることなく、自分たちが提案したいものを作るじゃないですか。

 確かに。



こがけん 本当に売れ筋を作ろうを思ったら(「サロモン」と「エア マックス 1×ジャックムス」を手に持ちながら) こういうカラーリングにはならないはず。それでもこういう強い色を出してきているってことは、2025年は原色がトレンドに入ってくるだろうと。

おそらく海外でのブームが先に起きて、日本はそこから1年、2年ずれていくだろうなと思いますが。そしてもうひとつの予想はこちら。ミズノの「ウエーブプロフェシー モック」です。



小島 この靴は、僕も傑作だと思います。

 これもコラボモデルですか?

こがけん 最近リリースされたインラインです。最初に出たのは黒の表革で、それは発売まもなく完売でした。

小島 アッパーはアナログでソールはハイテク、という組み合わせですね。



こがけん 見た目はもちろん履き心地も素晴らしい。ホールド感もしっかりあって。ローファーをモチーフにしたニューバランス「1906L」も大人気でしたし、こういう“スニーカーブームのカウンター”となるようなシューズが、今後流行っていくだろうなと。



 その感覚で言うと、最近コンバースがウエスタンブーツ(「オールスター ウエスタンブーツ ST Z」)を出しましたよね。こがけんさん絶対好きですよ。

こがけん えー、本当ですか。それは買いたい。買おうかな。そして最後はこちら。パコっていう、新しいサンダルブランドです。



 昔ながらのサボを、現代的なデザインと素材で再構築した感じ。革靴好きなら誰もが知るシューズブランド、フット ザ コーチャーの竹ヶ原敏之介さんが手掛けています。

こがけん そのとおり。サボもまた流行の兆しがありますしね。素材に、サステナブルな天然のラテックスを使っているのもいい。

このサンダルが面白いのは「脱いだときに裏返して置ける」という点。サンダルって、 例えば軒下に置きっ放しだったりしますよね。雨が降れば中に水が溜まったり。

でもこのサンダルは履き口がまっすぐにカットされていて、安定して裏返せる。裏返して置けば、内部はいつもクリーンな状態というわけです。



小島 なるほど!

こがけん こちらはダブルタップスとのコラボなんですが、上から見るとすごくシンプル。でもサイドから見るとオレンジが利いていて、ソールの形状も楽しい。ベランダや庭に置いたときに絵になるので、おすすめです。 

こんなラテックス素材のシューズも、今年のトレンドの一角を担うであろう……という予想でございました!


5/5

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