さて、「東中八」が提供する麺メニューは、現在(2024年12月現在)のところ、「ラーメン」(醤油ベースの背脂チャッチャ系)と、それに自家製の辛味を加えた「辛ラーメン」の2種類、及びそのバリエーションのみ。
基本メニューは「ラーメン」だが、オススメは、香ばしい燻製玉子がトッピングされる「燻製玉子ラーメン」。
キャッシュレスで、事前に決済を済ませて入店するスタイル。メニューはほかにも「辛ラーメン」やトッピングがある。
オーダーしてから着丼までに要する時間は、5分程度。新店らしからぬ、無駄のないオペレーションにより供された「ラーメン」は、’80~’90年代に「背脂チャッチャ系」の金字塔として一世を風靡した「環七ラーメン」を商品イメージの中核に据えながら、ブラックペッパーの刺激的な香味で魅せる「富山ブラック」のエッセンスを加えるなど、独自のセンスでブラッシュアップを施したもの。
動物系素材をフル活用し重厚なコクを演出した出汁に、甘辛く濃密なカエシを合わせたスープは、すする度に、絶妙な塩梅へと落とし込まれた塩味が鮮烈な余韻を刻み込む、渾身の力作。ブラックペッパーの刺激と背脂の甘みも、スープの風味の深化にひと役買い、レンゲを持つ手を止めさせない。
このスープに合わせる麺は、名門「浅草開化楼」へと特注した太縮れ麺。茹で加減も、過不足なくジャストな塩梅で、付け入る隙は皆無。燻製煮玉子も、今はなき往年の名店「竈@大久保」を彷彿させる絶品。あっと言う間に、丼を空っぽにしてしまった。