麺づくりに力を入れる店舗が人気店上位に
次に、ラーメンの味について、2025年のトレンドを予測する。
昨年は、「麺づくりに力を入れる店舗が増える」と申し上げたが、今年は、その傾向に益々拍車が掛かるだろう。なかでも独り勝ちの感があるのが、メリハリや立体感のある食感が表現できる手打ち・手揉み麺だ。
2024年は、手打ち麺・手揉み麺を売りにする複数の店舗が、上位人気を独占した。2025年は、手打ち麺・手揉み麺を使うことが、ラーメンづくりの新たなスタンダードのひとつとして定着する。決して大げさではなく、個人的にはそんな予感がする。
スープについては、鶏・豚等からとった動物系出汁と、節・煮干し等からとった魚介出汁を合わせた「MIXラーメン」や、スープに大量の背脂を振りかけた「背脂チャッチャ系」が再び脚光を浴びるのではないかと思われる。前者は’90~’00年代、後者は’80~’90年代に隆盛を極めたラーメンジャンルだ。
2024年末にオープンした、「背脂チャッチャ系」の専門店、「セアブラーメン 東中八」。
2024年には、数年来継続している、昔懐かしさを感じさせるような「ノスタルジックラーメン」を志向する潮流が、いよいよ白湯ジャンルにまで本格的に押し寄せ始め、スープを濁らせた「MIXラーメン」を提供する優良店が複数、産声を上げた。
この傾向は、2025年も継続するのではないかと思われる。また、「MIXラーメン」に加えて「背脂チャッチャ系」も、主に功成り名遂げた人気店の NEXTブランドのコンテンツとして精力的に採用され始めており、2025年は、出店が一気に加速するのではないかと思われる。
以上、まとめると、2025年のラーメントレンドは、
①間借りからの独立、
②手打ち・手揉み麺の浸透、
③MIX&背脂チャッチャ系の復権の3点に集約されるのではないかと考えている。
このコラムでは、これら3つのトレンドの各々に当てはまる優良店を、3軒ご紹介する。是非、足を運んでいただき、2025年のトレンドを先取りしてもらいたい。
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