ブレスレットやリングなどのジュエリーはもちろん、時計においても数々の名品を生み出しているティファニー。
先日、英国で開催されたオークションにて、そのアーカイブのひとつである“1912年製造の懐中時計”が出品された。落札者はティファニー自身。落札価格はなんと197万ドル(日本円で約3億800万円)という驚くべき高値が記録されたという。
極めて貴重なヴィンテージとはいえ、どこに3億円以上もの価値を見出したのか。そう疑問に思う人もいるかもしれない。
実はこの懐中時計、あのタイタニック号が初航海中に氷山に衝突して沈没した際、700人ほどの乗客を救った客船カルパシア号の船長、アーサー・H・ロストロンに対し、3人の生存者が感謝の意を込めて贈ったものなのだ。
197万ドルという落札額は、タイタニック関連の遺品としては過去最高額にあたるという。
時計の素材は、18Kゴールド。裏蓋を開けると、3人の生存者(マデリーン・タルメージ・アスター夫人、マリアン・ロングストレス・セイヤー夫人、エレノア・エルキンズ・ワイドナー夫人)からのメッセージが刻まれている。「1912年4月15日、タイタニック号の生存者3人から、心からの感謝と敬意を込めてロストロン船長に贈る」。
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