便にはその人の生活習慣が表れている
――体のサインを無視しないことが大事ですね。では、出口の便秘を治すために日頃できることはありますか?
便は健康のバロメーターと言われるように、便秘は生活習慣の結果です。出口の便秘を治すには、これまでの便秘になるような習慣を改め、「おしりの空っぽ感」を取り戻すことが重要です。
そのためのポイントは「睡眠」「食事」「運動」。次のような習慣にぜひ取り組んでみてください。
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睡眠夜11時〜深夜1時は内臓機能が低下している時間帯。この時間帯には眠っている状態を作ってください。腸のぜん動運動は副交感神経が優位になったときに活発化します。副交感神経にスイッチを入れて質の良い睡眠を得るためにも、寝る前にスマホやパソコンの画面を見ない、照明を暗くするなどの準備を取り入れてみましょう。
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食事小麦に含まれるグルテンと乳製品に含まれるカゼインは、消化されにくいため腸の粘膜に細かい穴をあけ、炎症を起こしやすいと言われています。開いた穴からは本来カラダに入ってきてはいけない有毒な成分が取り込まれ、便通異常や身体の不調をはじめ、癌などの病気までも引き起こします。こういった病態を「リーキーガット症候群」と言います。良かれと思って食べていたヨーグルトをやめたら便秘が改善した、というケースもよくあります。まずは2週間だけでも抜いてみると、体の変化を感じられると思います。
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運動体を動かすことで自律神経のバランスが整い、便秘予防や改善につながります。軽い運動でも、おなかを上下に動かすことは便秘改善に効果的。わざわざスポーツジムに通わなくても、エスカレーターやエレベーターを利用せず階段を使ったり、一駅歩くだけでも立派な運動になります。寝る前のストレッチも、副交感神経にスイッチを入れてくれるのでおすすめです。
ーーさっそく実践していきたいと思います! 最後に、便秘が治ることで「こんな良いことが起きた!」という患者さんの声があれば聞かせてください。
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特に消化器系の疾患がないにも関わらず、便秘や下痢、腹痛などを繰り返す「過敏性腸症候群」という病状をご存知でしょうか。私の患者さんでも、出口の便秘を治したらこの「過敏性腸症候群」の症状がなくなった! という方を大勢診てきました。 出口の便秘は腸にも悪影響を与えているんです。
また、便秘がメンタルをも脅かすとお話しましたが、ある患者さんも、出口の便が渋滞を引き起こして便秘になり、ガスが溜まっておならが漏れ出ててしまう、おならを我慢しすぎて体臭がきつくなってしまう、と悩んでいらっしゃいました。
改善の第一歩は正しい排泄から、ということで治療した結果、出口の便を出し切るだけで周りの人に鼻をすすられたり咳き込まれる回数が圧倒的に減った、と驚かれていました。それまでは人と話す時に距離を置いたり、人付き合いそのものを避けていたそうなのですが、自分に少しだけ自信を持つことができたと。 「うんちを出し切ることでこんなに生活が変わるなんて思っていませんでした!」と感動されたほどです。
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佐々木先生いわく、「腸のケアや運動は熱心に取り組んできたけれど、肛門については放置状態でした」という人は相当多いそう。あらゆるトラブルを招きかねない「出口の便秘」を見過ごさないよう、生活習慣を見直し自分の体と向き合っていきたいものだ。