腸活で便秘が悪化!その原因は「便の質」に影響するから
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――なぜ腸活で便秘が悪化してしまうのでしょうか?便秘は出口で起きているのに、腸に効くサプリや下剤、漢方薬や健康食品などを服用して、軟便・下痢便・頻便(何度も便が出ること)になり、かえって症状を悪化させてしまうのです。やわらかい便ばかり出していると、肛門は狭くなります。「どんな便が出ているか」という便の質も非常に大切なんです。
皆さんがよく飲んでいるマグネシウム系の薬やサプリは「やわらかい便を作る」もの。決して「便を出す」ためのものではありません。腸はちゃんと動いて良い便を作り、せっせと毎日出口まで運んでくれているのに、送り届けられた完成品である便を出す所でつまずいている人が肛門にトラブルを起こします。
また、腸活のために摂取しているお茶や健康食品には、腸を黒くする下剤が入っていることがあるので要注意です。アロエ、センナ、ダイオウなどはアントラキノン系下剤と呼ばれ、腸を黒くします。黒くなった腸は、自分で動かない、まるで土管のような状態に。そうなると下剤を飲まないと便が出ない体になり、便秘薬に依存するようになります。
それだけではありません。腸が黒くなるとポリープや大腸癌の発生リスクが高まるので、アントラキノン系の便秘薬の常用は避けてください。毎日摂取していると4カ月程で、時々飲んでいるという場合でも9カ月程で腸が黒くなるので要注意です。
程度がひどくなければ下剤を中止すれば元に戻るので、早く気付いてストップすることが大切。腸を黒くしない下剤はたくさんあるので、必要な人は医療機関で相談しましょう。
しなくていい「便溜めトレーニング」やっちゃってない?
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――体に良いと思っているものが実は危険だったとは。薬に頼りすぎるのではなく、自然な排便が起きるのが大事ですよね。はい。ちなみに、せっかく便意が近づいてきているのに「今はちょっと……」と、つい我慢してしまうことはないですか? これが慢性化している人は危険です。
――えっ。正直なところ、仕事中などでたまにありますね……。便意があるということは「出口のすぐそこに便が来ている」という体からのサイン。それを無視すると便意は数分もすれば消え、「ちょっとくらいの便だったら平気」な肛門になっていきます。
便感知センサーが鈍ると1日分の便では反応しなくなり、2日分の便が溜まらないと便意がこない、そのうち3日分の便を溜められるようになり3日に1回の排便に……というように、雪だるま式に出口に溜められる便の量が増えていきます。
こうなってしまうと、「そこに便があるのに感じないおしり」=「鈍感便秘」になっていき、負の連鎖が続く先には「便栓塞」(いわゆる糞詰まり)という疾患に至ります。便意を我慢する「便溜めトレーニング」は絶対にしちゃいけません。
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