ライブで掴んだ新たな自信――2024年の対バンツアー
2024年、山本は初のアジアツアーに挑戦。さらに、アコースティックライブや、阿部真央、SCANDAL、ACIDMANとの対バンツアーを通じて、多くの刺激を受けると同時に、アーティストとしての自分を深く見つめ直す時間を過ごした。
「対バンツアーは、自分のファン以外の方にパフォーマンスを見てもらえる貴重な機会でした。だからこそ、『山本彩のLIVE、悪くないやん』と思ってもらえるよう、全力を注ぎました」。
未知の空間への挑戦を経て、SNSには「初めて山本彩のライブを見たけど良かった」という感想が多く寄せられた。
「そんなコメントを見ると本当にうれしいですし、もっと多くの人にそう思ってもらえるように頑張りたいと改めて思いました」。
また、対バン相手から受けた刺激は、山本の音楽観にさらなる変化を与えた。
「阿部真央さんの圧倒的な歌唱力、SCANDALさんの観客を巻き込むエネルギー、そしてACIDMANさんが描く音楽の深遠な世界――それぞれのライブを目の当たりにするたびに、『自分には何ができるのだろう』と考えさせられました。もっと多くの人と一緒に音楽を作りたい。そのコラボレーションの中で、自分の音楽もさらに磨かれていくと思う」。
異なる個性との共演を通じて、自身の新たな可能性に気づき、次なるステージへの一歩を踏み出している。
積み重ねの果てにあるアリーナ公演――ソロ活動8年目の現在地
対バンツアーを通じて得た多くの学び。それは、山本が目指す「アリーナ公演」という大きな目標へと繋がっている。だが、彼女にとってその目標は単なる「規模」や「形」を追い求めるものではない。「アリーナ」という舞台で何を届けるか、その「中身」にこそ意味があると語る。
「アリーナ公演のために音楽をやるわけではありません。それを実現できるような“自信”と結果を少しずつ積み重ねていく。その果てにアリーナがある、という感覚ですね。」
この“自信”という言葉で思い出すのは、6年前、NMB48を卒業しソロアーティストとして新たな道を歩み始めた彼女が語った言葉だ。
「アイドルを8年間やってきましたが、同じくらいの時間をかけて自信を育てていきたい」
あれから6年。グループ活動との併用期間も含めて8年という時を経た今、その「自信」はどのような形で結実しているのか。その答えを山本自身に問いかけてみた。
「まだおぼろげな部分があるのが正直なところです。自信って浮き沈みがあるものだと思います。どんなに調子が良くても、いずれ打ちのめされるタイミングが来ますよね。でも、ステージに立つ瞬間には確かな自信を持ってパフォーマンスできている。その自信をもっと確固たるものにしていきたいです」。
6/6