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ディビッド もし、私が漁師であれば、生活のために多くの魚を獲りたいと思うでしょう。だからこそ、漁業法が重要であり、それに続く規制が大切なのです。

すべての漁業者が同じ規則を持つことで、少なくとも公平ではある。漁獲量を管理することで乱獲が防げれば、子や孫たちも漁を続けられる可能性が高まっていくはずです。

スーザン 脳の健康や発達に必要な栄養素の観点からも、魚が持つタンパク質は完璧であり、将来にわたって享受し続けたいものですよね。

井植 そこでは「国境を越えた取り組み」がキーワードだと思います。科学者と一緒に仕事をすることや、政府関係者との協力も効果的ですよね。私もSDGsの2030年というひとつのゴールに向けて、目標達成のスピードを加速させるために何をすべきかを考えています。

例えば、海洋における男女平等の問題など、他のテーマと組み合わせることで、より推進できるのではないかと実践しているところです。



井植 ちなみに、改めて日本を訪れてみていかがでしょうか?

ディビッド 細長い島なので、海への接点が非常に多いと感じます。どこまでも続く美しい海と、山や丘や湾が組み合わさった地形は感動的ですね。

スーザン 魚の種類と生物多様性が日本は非常に豊富なのに驚きました。

井植 あと、最後に聞きたかったことがありまして……。二人が日本でいちばん好きな魚介類やシーフード料理はなんでしょうか(笑)。

スーザン いくらとサーモンが好きです。本当に美味しくて、毎日朝昼晩といくらご飯を食べ続けられるほど大好きです。

ディビッド なかなか絞れないけれど、カニが好きだよ。種類も多くてそれも魅力ですね。美味しいシーフードを食べ続けるためにも海の環境を守っていかなければいけないと思っています。


海は世界共通の恵みであり、海を健全に保つことは必要なことだ。知識をアップデートし、楽しみながら保護活動に取り組んでいければ、きっと美しい海を後世につないでいくことができるだろう。


佐々木 彩=取材・文 笹井タカマサ=写真

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