OCEANS

SHARE

イギリスの植民地支配の終焉近づく香港

物語の舞台はイギリスによる植民地支配の終焉が近づいている香港。多額の借金を抱え、身ひとつで香港にやってきた野心家の男、チン・ヤッイン(トニー・レオン)は、悪質な違法取引を繰り返して徐々に香港に足場を築いていく。

そして80年代の株式市場ブームの波に乗ると、幾多もの会社を次々と創業し嘉文世紀グループを立ち上げる。インサイダーによる株価操作、闇取引、違法リベート、賄賂などあらゆる手段を尽くして資産100億ドル、市場価値200億ドルを超える国際企業へと急成長させていく。

飛ぶ鳥落とす勢いの彼にあやかろうと大勢の投資家たちが彼との取引を望むようになる。まさに時代の寵児となった彼は、我が世の春を謳歌していた。

 無一文から億万長者へとのぼりつめた時代のレジェンド、チン・ヤッインは、実在の人物がモデル。役づくりにあたってトニー・レオンは、当時の資料を調べ、彼の若い時から歳を重ねた時までを演じ分けた。©2023 Emperor Film Production Company Limited All Rights Reserved

 無一文から億万長者へとのぼりつめた時代のレジェンド、チン・ヤッインは、実在の人物がモデル。役づくりにあたってトニー・レオンは、当時の資料を調べ、彼の若い時から歳を重ねた時までを演じ分けた。©2023 Emperor Film Production Company Limited All Rights Reserved


だがくしくも時は1982年。英国のサッチャー首相が訪中し、鄧小平主席と香港返還について英中交渉を開始した結果、香港経済の将来への不安が市場に広がり株価は大暴落。そこから彼の歯車は少しずつ狂いはじめる――。

一方、汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユン(アンディ・ラウ)は、チンの陰謀に目をつけ、逮捕にこぎつけようと捜査を進めるも、巨額の資金力と、強力な弁護士を有するチンを捕らえるには至らず、苦渋の日々を過ごしていた。

それでも彼はあきらめることなく、粘り強く捜査を続けてきた。だが裏社会におけるチンの存在感は日に日に大きくなっていき、やがて家族が危険にさらされることに――。


3/3

次の記事を読み込んでいます。