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2024.12.15

ライフ

海藻が世界を救う⁉︎ 海の“カーボンクレジット”を増やし「30by30」を実現する未来へ



「The BLUEKEEPERS project」とは……

セイラーズフォーザシー日本支局 理事長の井植美奈子さんと笹川平和財団理事長の角南 篤さん。海洋保全にまつわる、さまざまな活動を行う両者の対談企画。

今回は、生物多様性について重要なキーワード「30by30」や、大阪・関西万博でお披露目予定の“海”のブースについてなど、幅広い話題を語り合った。

【写真11点】「海藻が世界を救う⁉︎海の“カーボンクレジット”を増やし、『30by30』を実現する未来へ」を写真でチェック

話を聞いたのは……
井植美奈子さん
ディビッド・ロックフェラーJr.が米国で設立した海洋環境保護NGO[Sailors for the Sea]のアフィリエイトとして独立した日本法人「一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局」を設立。水産資源の持続可能な消費をめざす「ブルーシーフードガイド」、マリンスポーツの環境基準「クリーンレガッタ」等のプログラムの開発と運営を手掛ける。京都大学博士(地球環境学)・東京大学大気海洋研究所 特任研究員。総合地球環境学研究所 特任准教授。OCEANS SDGsコンテンツアドバイザー。
角南 篤さん
1988年、ジョージタウン大学School of Foreign Service卒業、89年株式会社野村総合研究所政策研究部研究員、92年コロンビア大学国際関係・行政大学院Reader、93年同大学国際関係学修士、97年英サセックス大学科学政策研究所(SPRU)TAGSフェロー、2001年コロンビア大学政治学博士号(Ph.D.)取得。2001年から2003年まで独立行政法人経済産業研究所フェロー。2003年政策研究大学院大学助教授、2014年教授、学長補佐、2015-2018年内閣府参与(科学技術・イノベーション政策担当)、2016年副学長、2019年学長特別補佐、2020年SciREXセンター長、公益財団法人笹川平和財団理事長。


最先端のサステナワード「30by30」とは?



角南 ちょうど今コロンビアでは、生物多様性の問題をめぐる国際会議をやっています。話題となっているのは「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」というワード。陸と海の30%以上を、2030年までに健全な生態系として効果的に保全しようという目標です。

井植 「30by30」は今、目標達成に近づいているのでしょうか?

角南 非常に難しい状況です。ある地域を保護区にするとしても、そこに固定的に生息している珊瑚や海藻はいいのですが、魚は泳いでいってしまいます。魚の資源管理というのはまた別に考えなければいけません。回遊する魚に関しては、きちんとデータを取って、IUU漁業のような漁業資源管理の議論もしながら「30by30」で設けた区域で管理するというのが、今の我々の共通の狙いであり、重要な取り組みです。「30by30」とIUUの問題が両輪となり、成り立っていけば、本当にサステナブルなシステムができるはずです。

※Illegal, Unreported and Unregulated漁業、すなわち「違法・無報告・無規制」に行なわれている漁業のこと。

▶︎IUU漁業についてはこちらの記事で!


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