世の中的に“ジュニア(2代目)”というと、良くも悪くも話題を提供するイメージがあるが、こちらのジュニアも例外ではないのかもしれない。
イタリアンカーブランド、アルファ ロメオの最新モデル、その名も「ジュニア」。
まだ、日本での発売時期は未定だが、この新型コンパクトSUVに、モータージャーナリストの吉田由美さんがイタリア本国で試乗した。
カーライフ・エッセイスト/自動車評論家。自動車雑誌を中心に、テレビ、ラジオ、web、女性誌など広く活動中。自身のYouTubeチャンネル『yumi yoshida【吉田由美ちゃんねる】』も好評。
車名変更で話題となったアルファ ロメオ初の電気自動車
新型「ジュニア」は、アルファ ロメオ初の電気自動車(BEV)というのが最大のトピックだが、今年4月に世界初公開された際、いちばん目につくフロントグリル内のアルファロメオのエンブレムが大きな影絵のようになっている姿がインパクトありすぎた。
しかも、車名が「ミラノ」というイタリアの首都名だったことで、アルファ ロメオ社の新世代モデルへの大きな期待が感じられた。なにしろ、ミラノはアルファ ロメオ社の誕生の地。特別な場所なのだ。
しかし、さらに大きな注目を集めたのは発表から5日後。前代未聞の事態が起きた。
アルファ ロメオは「ミラノ」から「ジュニア」に名前を変更したのだ。理由は、イタリア政府から「ミラノがイタリア国内で製造されないから」だという。そんなことってある? しかし、おかげで「ジュニア」は世間の注目を集めることになった。
アルファ ロメオは、シトロエンやジープなどと同じステランティスグループで、「フィアット600e」や「プジョー e-2008」などとプラットフォームを共有し、製造もポーランドの工場で行われる。ちなみに「ジュニア」もアルファ ロメオの名車「GT1300ジュニア」に由来し、こちらも特別な名前だ。
というわけで、いろいろな意味で世間をざわつかせた「ジュニア」だが、改名後の世界各国のプレス向け国際試乗会はイタリア・ミラノで行われた。正確にはミラノから車で約1時間の場所にあるアルファ ロメオの聖地、バロッコにあるテストコース。
現在はアルファ ロメオをはじめとするステランティスのテストコース。
「世界一のテストコース」と呼ばれる歴史と伝統のある広大な敷地の中には、いろいろなコースがあるが、新型ジュニアの試乗はアルファ ロメオの特別なモデルにだけに許される1周約21km、110のコーナーがあるスポーツカーの走りを磨くためのコース。
ここを走らせるということは、新型ジュニアでアルファ ロメオの自信作という意味なのだろう。
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