ほぼ10年に一度のスペシャル・フェラーリは今回も即完売
フェラーリ「F80」。同社のF1マシンで採用されている電動化ユニットがこのマシンに合わせてつぎ込まれた。
まずはフェラーリ。10月7日に発表された限定799台の「F80」は、発表と同時に完売している。価格は360万ユーロ(約5億8600万円)という噂だ。
ドライバーズシートの背後には単独で900馬力を発揮する3LのV6エンジンが搭載される。
これまでも同社はスペチアーレ(イタリア語でスペシャルの意)なフェラーリを幾度か販売してきた。
創業40周年を記念した「F40」や、創業55年目に創始者の名を冠した「エンツォ・フェラーリ」、同社初のハイブリッド・スーパーカーの「ラ・フェラーリ(英語で言えば“ザ・フェラーリ”。つまり“これぞフェラーリ”)……。
F1由来の空力技術により250km/hで1t超のダウンフォースを得られる。って、車に1tかけないと空を飛んじゃう!?
F80は創業80周年を記念して開発された。ちなみに、同社の創業は1947年である。何でも、80周年に当たる2027年に生産が完了するからF80、らしい。
まあ、創業60年ではなく55年にエンツォを出しているくらいだし、「フェラーリはだいたい10年おきくらいにスペチアーレを出してくる」くらいに考えたほうがいい。
さて、F80だ。F1を筆頭に今やモータースポーツはハイブリッドが中心。当然、F80もル・マン24時間レースで2連覇したマシン「499p」と同じ3L V6ターボ+フロントモーター×2+リアモーター×1のハイブリッド・スーパーカーだ。
そこにF1をはじめとした同社のノウハウがたっぷり詰め込まれ、システム最高出力1200馬力を発揮し、最高速度は350km/hに達する。
「1+」と呼ばれるコックピット。助手席は後方に若干オフセットされ、インテリアのカラーリングによってドライバーの「視界から消えて見えます」という。
乗車定員は一応、2名。けれど同社自身が「1+」と言うように、「乗りたいなら、乗せてあげてもいいけど」レベルの助手席で、基本はF1のようにドライバー1人で楽しむ車だ。
もし「6億円くらい、すぐ出せたのに」と思っている御仁がいれば、ほぼ10年後、きっとまたスペチアーレなフェラーリが販売されるだろう。
それまでに、フェラーリの特別な顧客に選ばれていれば、発表前に耳元で「買いませんか?」と誘われるだろうから、その6億円を使えるはずだ(次はいくらか不明だけど)。
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