元気が出る車!?
少し前、レンジローバーとレンジローバー スポーツを同時に乗り比べる機会があった。
まずは文句なしの名車レンジローバーから。ふんわりとズッシリが両立した魔法のような乗り心地と、リッチで滑らかでスイートな、超濃厚ソフトクリームのような加速感に、身体がとろけそうになる。
もうレンジだけでええやん、スポーツとかいらんし、と思いながらレンスポに乗り換える。
タイトで引き締まった乗り心地、グッと硬派なハンドルの手応え、そしていかにも運動神経が良さそうなきれいなコーナリングフォーム。
いい車ではあるけれど、レンジのように自分が高貴で優雅な人間になったと錯覚させるような魔力はない。
どっちかもらえるとしたら、絶対にレンジだな──。そう思いながらレンスポで走り続けると、アクセルを踏むごとに、ハンドルを切るたびに、自分の中で眠っていた何かが目覚め、どんどん活力が増し、体温が上がる(ような気がした)。この表現はあまり使いたくないけれど、若返る。
結論。おっさんこそレンスポだ。ボーっとしていても力が漲る若い衆ならレンジもいいけれど、この年になると無理やりにでも身体を動かさないと輝かない。こういう刺激があると、元気が出るぜ!
| モータージャーナリスト サトータケシ フリーランスのライター/エディター。「OCEANSで見たよ〜」と声をかけてくれる友人、知人が多く、この雑誌で書く機会をいただいたことに感謝しています。長らくご愛読いただき、誠にありがとうございました。 |
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