氷上ならではのレースの醍醐味
同イベントではスケートリンクを2周して勝敗を争う「ビギナークラス」、3周で争う「エキスパートクラス」、本大会で競技に使う車両提供をしERKオーナー6チームによる「オーナーズクラス」の3クラスの競技が行われる。
「ビギナーズクラス」から幕を開けた競技会。1周わずか約100mのコースをカートがフラッグの合図で一斉に走りだすと、すぐさま激しいレースが展開される。直線でのスピード感やカーブでのコース取りやせめぎ合いはモータースポーツの興奮そのままであることがすぐにわかる。
特に摩擦の少ない氷上ではカーブでのハンドリングが難しいようで、派手にスピンするカートが続出。それによって状況が常に二転三転するので、コース2周の短いレースからは常に目が離せない楽しさがあった。細かなハンドルさばきで車体を制御する巧みなドライバーには、観客席から惜しみない拍手が送られた。
続いて3周で勝敗を決する「エキスパートクラス」には、普段からカーレースに参加している、あるいは過去の「SDGs ERK on ICE」への参加経験もあるなど、熟達したドライバーが多く参加。氷上では白熱した駆け引きに引き込まれるレースが多く展開された。
巧みにインサイドからほかのカートを抜き去り勝利を手にする人、カーブでの位置取りで激しくバトルする人、初めて乗るカートのクセをつかみきれずスピンに泣く人……と、ドライバー一人ひとりにドラマが感じられ、そのたびに会場からは歓声やどよめき、拍手が起こる。
思いどおりの走行に満足し、笑顔でリンクを後にするドライバーもいれば、一瞬の判断の違いで勝利を逃したドライバーもいたが、すべてのレースが終了する頃には全員が満足そうな表情を浮かべており、「氷の上を走る」という体験そのものの特別感を伺わせた。
3/3