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すべての写真を見る ここ数年さまざまな商品に配合されるようになり、俄然注目度が増している「ペプチド」。肌にいい成分だと耳にするが……はたしてその正体は?
美容成分に詳しい医師、松倉知之先生に解説してもらった。
肌にGOODな「ペプチド」って何?
松倉クリニック表参道 院長 松倉知之先生●北里大学医学部卒業後、北里大学形成外科勤務を経て、1998年に松倉クリニック&メディカルスパを開業。レチノイン酸やボトックスを日本に導入したことで知られる。分子レベルで健康を考える学問、分子栄養学にも造詣が深い。
──そもそもペプチドとは、どういうものなのですか? ヒトを含め、生物はアミノ酸の集合体です。アミノ酸同士の結合を「ペプチド結合」と呼び、アミノ酸が2個以上、50個未満で結びついたものを「ペプチド」と言います。
なぜ50個未満かというと……アミノ酸が50個以上結びつくと、それはタンパク質になってしまうから。
ペプチドも、2個の結合ならジペプチド、3個ならトリペプチド、4個はテトラペプチド、20個以上だとポリペプチドといった具合に、名前も変わるんです。
ペプチドはそもそも体内にあるものであり、ホルモンや抗生物質として働くものもあります。
──そのほか、ペプチドにはどのような働きがあるのでしょう。 多すぎて言えないくらいありますよ(笑)。この世の中には何百種類ものアミノ酸があるといわれています。
結合しているものが少しでも変わればそれは違う物質になり、機能も変わる。2個以上、50個未満で結び付いたものがペプチドですが、その組み合わせは無限大。
現在進行形で新しいペプチドを作り出そうとしている研究者もいるので、いったいどれほどの種類のペプチドが存在しているのか、わからないというのが正直なところです。
ただし保湿、細胞活性や細胞増殖の促進、コラーゲン線維修復、皮膚保護作用などがあるとされ、肌全般にいいことはわかっています。健康面では、血圧降下、抗菌、血栓抑制、中枢神経鎮痛などの作用も注目されています。
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