「OCEANS Feel So Good AWARD」の選考委員であるLINEヤフー株式会社 代表取締役会長の川邊健太郎さんを聞き手に据え、佐々木莉佳子さんを迎えた豪華インタビューが実現。佐々木さんのウェルネスの源に迫る!
[左]佐々木莉佳子(ささきりかこ)●2001年生まれ。昨年所属していた女性アイドルグループ「アンジュルム」を卒業。現在も雑誌『CanCam』の専属モデルを務めるなど、肩書きにとらわれずアーティストとして活動している。フォトブック『girasol』が発売中。 [右]川邊健太郎(かわべけんたろう)●1974年生まれ。LINEヤフー株式会社 代表取締役会長。大学在学中に電脳隊を設立。1999年にピー・アイ・エムを設立し、翌年ヤフーとの合併に伴いヤフーに入社。2023年より現職に。現在は経営者である一方で、漁師と猟師を加えた3足のわらじを華麗に履きこなすウェルネスな生活を送る。
「今を生きる」ことを大事にしたい
川邊 この度ご縁あって今年の「OCEANS Feel So Good AWARD」の選考委員をさせていただいているのですが、私は佐々木さんを推薦させていただきました。
佐々木 え、びっくりです(笑)! ありがとうございます! どこで私のことを知ってくださったのですか?
川邊 私はJ-POPが好きで、これまでいろんな曲を聴いたりライヴへ足を運びました。そんな中でも佐々木さんは、ずば抜けて喜怒哀楽が豊かで人間臭い。それが印象的でした。
佐々木 あはははは(笑)! 自分を偽るのが好きじゃないのと、あと隠し切れないので全部出しちゃうんです。
川邊 私は十数年間、経営者として常に心を鬼にしてやってきたのですが、その結果、泣かない人間になったんです。でも以前佐々木さんが在籍していたグループ「アンジュルム」の映像を観て、十数年ぶりに泣きました(笑)。
佐々木 わあ、そうだったんですね(笑)!
川邊 (自身のiPadに保存された画像を佐々木さんに見せながら)今回の選考の話を聞いたとき、僕が思い出したのがこの写真でした。
佐々木 私の卒業ライブのときの写真! 横浜アリーナでやらせていただいたのですが、これはライブの終盤で、外周を回ってファンの皆さんに手を振っている瞬間ですね。
川邊 この機会に“Wellbeing”という言葉を、改めて調べてみたんです。WHO(=世界保健機関)が定義をしていて『肉体的、精神的、社会的に全てが満たされた状態』であると。まさにこの写真こそ、満たされ感が半端ないと感じました。
佐々木 このときは、ファンの皆さんへの感謝の気持ちしかありませんでした。会場にいる皆さんはもちろん、これまで出会ってくれたすべての人に対する感謝ですね。そういう人たちに対して、最後の最後まで自分なりの愛を届けたいという気持ちでいっぱいでした。
川邊 今も『愛を届けたい』とおっしゃっていましたし、佐々木さんは非常に愛情深い人だなと感じます。
佐々木 そうおっしゃっていただけるとうれしいです。もともとの性格もあると思いますが、一番はこの業界に入ったことかなと。幼い頃から集団生活を経験し、仲間や先輩・後輩がいる環境に身を置いていたことで友情や信頼が芽生えたことで、人の大切さや尊さを自然と学んだのだと思います。
川邊 気仙沼市出身の佐々木さんは、9歳のときに東日本大震災で被災を経験しています。当時の経験も、今のご自身の性格に影響を与えていますか?
佐々木 だいぶ大きいですね。家も学校も流されるなど、信じられないような現実を目の当たりにしました。「今を大事に生きる」「愛を届ける」という思いは、アンジュルム時代からずっと口にしていることですが、被災したからこそ自分の中で深く刻まれています。
川邊 素晴らしい。そうそう、佐々木さんの人間性を先輩から訊いていただこうと、OCEANS編集部から中西香菜(アンジュルムの元メンバー)さんへコンタクトをとっていただきました。
佐々木 えっ!? 中西さん!?
川邊 中西さんからは「自分より、人の気持ちに立てるのが佐々木莉佳子ちゃんの魅力だと思いますが、その原動力は何ですか?」という質問をいただきました。中西さんは、佐々木さんならではの“利他の心”を感じていたのですね。
佐々木 そんな風に思っていただけていたなんてうれしいです。そうですね、特に意識をすることはなく、自然とそういう感じになっているのだと思います。周囲の人を大切にすることが、自分への優しさだと思っています。周りを優しくすると、自分に優しくなる。その瞬間がすごくうれしくて。
川邊 そういう“利他は利己である”という考えは、東日本大震災やグループ活動を通じて強くなったのですか?
佐々木 そうですね。色んな人に会って、いろんな経験をし、感じてきたことで構築されたものだと思います。
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