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自分ではしない選択をあえてすることで世界を広げる



社長業の忙しい日々の中で、心を軽くするために取り入れているのが散歩だ。と言っても、浅葉さんの散歩は、ちょっと変わっている。オンラインミーティングを散歩の時間にしているのだ。

「歩いている方が集中できるし、運動にもなる。重要な会議なら、スマホから議事録も取れる時代ですから、ぜひ試してほしいですね」。

散歩で意識をしているのが、ルートを決めず、あえて知らない道を選ぶこと。

「人生は細かな選択の連続ですよね。そこで同じことを選択しては自分の世界は広がらない。散歩の道もそうだけど、例えばレストランでもあえて自分では絶対に選ばないメニューを頼んでみる。そうすると自分の世界がぐっと広がった感覚があって、その瞬間に幸せを感じるんです」。



だが、人は失敗を恐れるもの。いつもと違うことを選択する怖さはないのか。

「失敗だって経験になりますから。あと僕、落ち込まないようにする技が1つだけあって。それはすべてのことを『時を超えるボケ』だと思っているんです。中学生のときの失恋を今でも引きずっている人っていないじゃないですか。むしろ、なんであんなことしたんやろ? と、振り返るとめちゃくちゃ面白かったりする」。



「つまり当時は深刻に思えたことでも、時間軸を長くすると大体面白くなるんです。だから、大変なことが起こったときは、これは『時を超えるボケやな』と思って、渦中に飛び込んで、大変な役を演じる。そうするとね全然ヘコまなくなるし、本当に大体のことは笑い話になりますから」。

行き詰まったときや落ち込んだとき、浅葉さんのこの言葉を思い出してみるといいかもしれない。

「ただ、入社式でこの話をしたんですけど、誰もピンと来ていませんでしたけどね(笑)」。



新田桂一(OTA OFFICE)=写真 林田順子=文

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