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感情も料理のエッセンスになる



実際、食事はウェルビーイングの重要なファクターになると、近年さまざまな調査や研究が行われている。

「不思議なのは、料理はレシピもあるし、サイエンスでもあるんだけど、感覚的な要素がすごく大きいこと。例えば、自分がイライラしていると、塩気が強かったり、苦味が増したりするんです。味見をして苦いと『こんなにイライラしてたら、そうなるわ』って逆に料理に気付かされることもある」。



ただ、料理の味が多少ブレようと、感情にあえて制限をかけないのが髙山さん流。イライラしていたり、落ち込んでいたり、そんな感情も髙山さんの料理のエッセンスとなるからだ。

「昔は安定した料理を出すことが重要だと思っていて、何があっても冷静でいられるように感情をコントロールしていました。そうしたらだんだんつまらない料理を作るようになって、作っていても楽しくない。好奇心もないから、アイデアだって出てこない。

で、あるとき『これじゃ、ダメだ。このままじゃ壊れる』って気付いたんです。そこからはうれしいときはうれしい、嫌なときは嫌、落ち込むときはしっかり落ち込む。そのほうがいいやって思うようになりました」。


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