宇宙を感じる、未来の可愛い商用車
「ルノー・エスタフェット・コンセプト」。サイドドアは運転席側と助手席側に1枚ずつ。といっても助手席は設定されていない。
さらにルノーは、かつての商用車もレトロフューチャーなアプローチでリデザインした。それが「ルノー・エスタフェット・コンセプト」だ。
ちなみに、アイデアモチーフとなった「エスタフェット」は、1959年から販売されていたルノーの商用バン。これを知っていたら、かなりの車好きだ。
巻き取り式シャッターのバックドア。開けると自動で足元にステップが展開する。
見所は、やはりインテリアデザインだろう。例えば運転席まわりは、まるで初代マッキントッシュのような、シンプル&プラスチッキーさを感じる。
ステアリング奥の7インチディスプレイが、なんとも言えないチープ感があって心をくすぐられ、ステアリング形状は、’80年代のSFアニメに出てくる宇宙船の操縦桿のようだ。
しかも運転席の後ろのスライドドアを開けた先にある荷台なんて、宇宙船から宇宙空間へ出る前のスタンバイスペースにすら見えてくる。
ディスプレイの収まるパネル下の左右にあるのは、電話などすぐ操作したい機能をタップするだけで使えるウィジェット。もちろんカスタム可能。
当然、商用バン「エスタフェット」の未来像ゆえ、集荷と配送に忙しいドライバーのための工夫が至る所にみられる。
例えばサイズ。全長&全幅は同社の現行型カングーのロングモデル(カングーL2)とほぼ同じだから、標準的な駐車場に収まる。それでいて、車内は身長1.9mの人でも、屈まずに移動できる高さがある。
ドライバーズシート一脚のみ。背後は荷台へ通じるスライドドアが備わる。
さらに、最小回転半径は同社のコンパクトカーのクリオ(日本名はルーテシア)くらいなので、取り回しもいい。
バックドアは跳ね上げ式でも観音開きでもなく、巻き上げ式シャッター。だから倉庫の壁の近くまでバックして止めても荷物を出し入れできる。左右のドアはワンタッチで開くから、荷物を両手で抱えたままでも乗り込める。
折りたたみ式の棚が備わる荷室。宇宙服を着て待機している人がいても不思議じゃない。
もしもこのまま市販されたら、ドライバー不足の運送業に転職したくなるかも。いや、ルノー・エスタフェット・コンセプト同様、カングーが電気自動車になった暁には、これらのデザイン&仕様をぜひとも取り入れていただきたい。そもそもカングーだって、本国では現役バリバリの商用バンなんだから。