青春時代がよみがえる、リーバイスの画期的名作も所有
『リーバイス レッド ジャイアント』。武骨なアメカジ全盛期だった2000年代初頭、それまでにはなかったモダンな色味やモード感漂うシルエットは、ファッション業界に衝撃を与えた。
松尾さんにとってのもう一本の相棒は『リーバイス レッド』。しかも1stシリーズの「GIANT(ジャイアント)」というレアモデルだ。先述のフェノムと同様、ファッション好きだったOC世代には特に刺さるデニムに違いない。
一見するとポケットに見えるが実はフェイクで、アーキュエットステッチを施しているだけ。赤タブにはロゴは入っておらず「®(レジスターマーク)」のみ。
「これをはいていると、よく『懐かしい!』って言われます(笑)。2000年頃に発売した最初期のモデルで、当時通っていた専門学校の先生から安価で譲ってもらいました。あの頃は立体裁断を駆使した、”ストン”と下に落ちるラインと言うか、極端に股上の深いスーパールーズシルエットが画期的で話題になりましたが、いまはいてもすごく新鮮です。
ヒップポケットは外付けでなく、内側にあしらっているというかなりユニークなデザイン。隠しリベットを駆使し、補強までされているのだ。
ベルトループは、はかなくなったデニムを解体して移植したそう。ちなみにコインリベットは上ではなく、横から出し入れする仕様。「実はかなり使いづらいです(笑)」と松尾さん。
あと、もともとはシンチバックで絞ってはくベルトレス仕様なのですが、どうしてもベルトをしてはきたかったので、ベルトループをセルフカスタムしたり、リペアしたりしながらはき続けています。こちらもゴリゴリのアメカジというよりは、2000年代ストリートを彷彿させる着こなしで楽しむことが多いですね」。
通常、リーバイスのヴィンテージデニムは「赤ミミ」仕様だが、リーバイス レッドのファーストシリーズは「緑ミミ」を採用しているのも本モデルならではのポイントだ。
Y2Kなリーバイススタイルを自分なりに楽しむ松尾さんに、次に買うリーバイスデニムについて聞くと、「もちろん501です」ときっぱり。
「やっぱりリーバイスは、デニムブランドの原点にして頂点ですから、しっかりと堪能したいです。年齢を重ねた今なら、リーバイスデニムの真の魅力がわかると思うんです。
あとどうせはくならリジットの状態から、時間をかけてじっくりと育てていきたいですね。王道の501をベースに、自分なりの大人なアメカジを楽しみたいです」。