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2024.10.21

ホンダ「N-BOX ジョイ」は“気軽なアウトドア派”へ。軽自動車の激戦区に加わったNEWモデル!

N-BOXファミリーに加わった“脱力系アウトドア派”のN-BOXジョイ。

N-BOXファミリーに加わった「N-BOX ジョイ」。気軽にアウトドアを楽しむためのモデルだ。


人間だもの、疲れることなんてたくさんある。だから癒しを求めて海へ山へ。いや、ちょっと景色が良ければそれでいいじゃん、いちいちキャンプやアウトドアスポーツを楽しまなくたってさ。

ホンダのN-BOXから派生した新モデル「N-BOX ジョイ」は、そんな“脱力系アウトドア派”とも言える人たちへ向けた造りとなっている。

軽自動車で最も人気のあるカテゴリーが、SUVテイストのスーパーハイトワゴン。従来モデルの “毎日の生活に便利な軽”に、アウトドアフィールドへ遊びに出掛けたくなる要素が加えられたモデルだ。

この数年、ダイハツは「タントファンクロス」を、スズキは「スペーシアギア」を、三菱自動車は「デリカミニ」を投入している。ここにホンダからは「N-BOX ジョイ」が加わることになる。

フロントグリルは「H」マークが標準。オプションで「HONDA」も選べる。

フロントグリルは「H」マークが標準。オプションで「HONDA」も選べる。


“脱力系”ゆえタフさをまったくウリにしておらず、エクステリアに押し出し感は一切感じられない。ライバルのようなアルミホイールも備わらない。黒の鉄チンにホイールキャップ。それでいいじゃん、とばかりにノンターボ/ターボとも標準で備わる。

N-BOXの標準モデルがベースだけれど、リアコンビネーションランプはカスタムモデルと同じクリアレンズ。ターボ車の鉄チンは写真のように、ホイールキャップに加えてメッキリングが備わる。

N-BOXの標準モデルがベースだけれど、リアコンビネーションランプはカスタムモデルと同じクリアレンズ。ターボ車の鉄チンは写真のように、ホイールキャップに加えてメッキリングが備わる。


インテリアデザインはといえば、さらに”脱力系”だ。ドアを開けたらチェック柄が広がる。キャンプというよりピクニック。ピクニックにはレジャーシート、レジャーシートだからチェック柄、というわけだ。

飲み物をこぼしてもサッと拭ける撥水加工が施されているのがうれしいポイント。

無理に外へ出てイスやテーブルを広げて……なんてしなくてもいい。いや、それもできるけれど、車内から外の景色を眺めるだけでも楽しいじゃない!?とばかりに、実はベースとなるの標準モデルのN-BOXとは後席&荷室の作りが変えられている。

前後席ともチェック柄のシート地が標準仕様。後ろに向かって寛げるだけでなく、助手席を倒せば前を向いてリラックスすることもできる。

前後席ともチェック柄のシート地が標準仕様。後ろに向かって寛げるだけでなく、助手席を倒せば前を向いてリラックスすることもできる。


目的地についたら後席を倒して足を伸ばし、車の中で最も大開口となるバックドアを跳ね上げる。それだけで目の前の自然を楽しめる。

後席背もたれと荷室の床までチェック柄の生地にすることで、ブランケットなどを敷かずともそのまま寛ぐことができ、面倒な手間がない。

ボディ後端にサブトランクが備わる。

ボディ後端にサブトランクが備わる。


背もたれや荷室床には最初からチェック柄生地が組み込まれた。と、簡単に言ったけど、技術的にはかなり大変。結果、新技術を開発してまで装着した。

また、後席を倒して座る場合、そのままだとゴツゴツしている。そりゃそうだ。本来座られることなんて考えられていない部分なのだから。そこでN-BOX ジョイは、樹脂プレートを1枚入れた。それだけでお尻が痛くならない。クッションでも用意すればさらに良し(ゴツゴツのままでクッションを敷いても効果は薄い)。

インテリアはベージュを基本に、カスタムモデルと同じ傷がついても目立ちにくい樹脂トレーを装備。

インテリアはベージュを基本に、カスタムモデルと同じ傷がついても目立ちにくい樹脂トレーを装備。


荷室で足を伸ばした際の角度にもホンダはこだわった。本来、N-BOXは後席を畳めば27インチ程度の自転車も載せられるのがウリのひとつ。自転車を載せるには、リアバンパーと荷室の床に段差があっては引っかかってしまうためツライチに、後席側からリアバンパーにかけてなだらかに傾斜させていた。

しかしこの傾斜角度、同社の社員が足を伸ばしてみるとあまり快適じゃない。だからって完璧なフルフラットだと、意外と疲れる。ベストな“脱力角度”を探した結果、荷室床のバンパー側を80mm上げると、ちょうどいい角度だと発見した。

荷室に備わるライト。N-BOXで唯一スイッチが付いているから、エンジンを切ってもここでオン・オフできる。

荷室に備わるライト。N-BOXで唯一スイッチが付いているから、エンジンを切ってもここでオン・オフできる。


というわけで、リアバンパーと荷室床に段差が生まれた。自転車の搭載より、脱力優先。とはいえ、あらかじめ80mm高いことを意識しておけば自転車も問題なく載せられるだろう。

キャンプじゃなくピクニックだから、たいして荷物を用意する必要がない。飲み物や食べ物は途中のコンビニで十分だ。仕事や家事に疲れたら、近くの海辺を、あるいは山の緑の中を目指す。思いついたらすぐ行動。着いたら後席を倒してバックドアをガバッと開けるだけ。

オプションのネットは天井に張ることもできるし、後席背もたれに張ることも可能。

オプションのネットは天井に張ることもできるし、後席背もたれに張ることも可能。


そんな脱力系N-BOXの「ジョイ」は、自然吸気エンジンとターボエンジン、2WDと4WDが選べる。

実は昨年10月に行われたN-BOXのフルモデルチェンジ時から、N-BOX ジョイの投入は決まっていた。脱力系ゆえ、ベースは厳ついN-BOXカスタムではなく、丸目の標準モデル。そのため、標準モデルにはターボ車の設定がなかった。何しろ同じ丸目のターボ車は、N-BOX ジョイで採用されることが決まっていたからだ。

N-BOX 3兄弟。左から標準モデル、ジョイ、カスタムモデル。

N-BOX 3兄弟。左から標準モデル、ジョイ、カスタムモデル。


車両本体価格はノンターボ車が184万4700円〜206万300円、ターボ車が204万4900円〜226万500円。それぞれがカスタムモデルと価格帯が重なる感じだ。

N-BOXジョイからの風景写真。車を額縁にして、いろんな風景を切り取りたくなる。

N-BOXジョイからの風景写真。車を額縁にして、いろんな風景を切り取りたくなる。


ニッポンの国民車と言われるN-BOXに加わった新モデルは、我々にいろんな景色を楽しませてくれそうだ。

籠島康弘=文

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