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2024.10.11

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【実録】「激安業者は危険」「最終的に100万円超」清掃現場に蔓延る盗難&ぼったくりのリアル



「日常に潜む社会の闇」とは……

エアコンなどの部分的なハウスクリーニングからゴミ屋敷、遺品整理などを請け負う清掃業者。

過去、清掃現場で働いたこともあるルポライター・村田らむさんは、安く済ませたいがため、安易に選ぶのは危険だと警鐘を鳴らす。

案内人はこの方!
村田らむ●1972年生まれ。ライター、イラストレーター、漫画家。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海など、アンダーグラウンドな場所への潜入取材を得意としている。キャリアは20年超え、著書も多数。自身のYouTubeチャンネル「リアル現場主義!!」でも潜入取材や社会のリアルを紹介している。

村田らむ●1972年生まれ。ライター、イラストレーター、漫画家。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海など、アンダーグラウンドな場所への潜入取材を得意としている。キャリアは20年超え、著書も多数。自身のYouTubeチャンネル「リアル現場主義!!」でも潜入取材や社会のリアルを紹介している。

清掃業者にはびこるぼったくりや罠

僕は2年間ほどゴミ屋敷清掃を専門としている清掃会社「株式会社まごのて」で清掃員として働いたことがある。体験取材だったが、働いた分の給料はもらっていた。そこで働いているときに、よく耳にしたのが「悪徳な業者」の話だった。

そもそも特殊な業界なので、運送会社やコンビニエンスストアのような大手企業がない。多くの人は、「ググって出てくる、小さい業者の中から選んで頼む」という選び方をしているのではないだろうか? 清掃というのは、車や家のようにあとに残るものではない。だから誰しもなるべく安く済ませたいと思う。

だが、とにかくいちばん安いところを選ぶ、その選択には罠が潜んでいる。



清掃業者をネットで見てみると、「安さ」を一番の売りにしているところが多い。「ゴミ積み放題、軽トラ1台1万8000円」などと書いてあると、「うちの部屋のゴミは、軽トラ1~2台で乗りそうだから1万8000円で済みそうだ」などと思うかもしれない。

しかし、そもそも軽トラ1台のゴミを処理場で処分するには1万8000円以上かかる。だから、業者はどうにかしてそれ以上のお金を取らなければならない。いちばん単純なのは、値上げだ。

依頼者の中には、「数万円という約束だったのに、あとから50万円払えと言われました」という学生もいた。お金がないから、と断ろうとすると「現金がないならクレジットカードで払え」と詰められた。強面で暴力的な雰囲気を出されたため断れなかったという。

さらに、「カードの枠が狭いので、10万円までしか払えません」というと、「金融業者を紹介するから、そこで金を借りろ」と詰め寄られた。依頼者は、そこは借りずに踏みとどまったが、もし借りていたら多額の借金を背負うことになっていたかもしれない。



こうした業者の中には作業を途中でやめて、「これ以上やってほしかったら10万円追加で払って下さい」という、水商売の「たけのこ剥ぎ」のようなぼったくりをされる場合もある。最終的には100万円を超える出費になってしまう場合も少なくない。

学生の部屋の状態を、まごのての社長に聞くと、15万円程度が相場の部屋だったという。「清掃に15万円」と聞くと、反射的に、高い! と思ってしまう人が多いだろう。だが人件費やゴミの処分代を考えると、実際はそれくらいのお金がかかってしまう。物事には適正価格というものがあり、あまりにも安い業者は危険な業者である場合が多いのだ。

清掃を頼む側は、「掃除を他人にさせている罪悪感」「親戚の死体を腐らせてしまった罪悪感」「頼む段階で住所を知られている焦燥感」といった、引け目やプライバシーがあるため、普通の取引よりも立場が不利になりやすい。その状況でゴリゴリと詰め寄られると、つい折れてしまいがちだ。


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