連載:俺のクルマと、アイツのクルマ
男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。
【写真18点】「愛車のジープ・チェロキーで貫く“純正の美学”」の詳細を写真でチェック ■49人目■中根吉浩さん(50歳)
なかねよしひろ●セレクトショップのPRやバイヤー、ディレクターとしてキャリアを積み、フリーランスプランナーとしても活躍したのち、現在は、NYブランド、ノアのジャパンディレクターとして辣腕を振るう。交友関係の広さは群を抜き、目利きにも長けることから業界内でも一目置かれる存在に。
ジープ チェロキー サン&ホイール
アメリカン・モーターズ(AMC)がカイザー=フレーザー・コーポレーションを買収した当時、「ワゴニア」のスポーティ版として登場したモデル。以降、買収・合併による紆余曲折がありながら、都度、後継モデルを発表してきた。こちらは、2012年に登場した限定車で、開口面積の広いサンルーフや大きめなホイールが特徴。
ノア(NOAH)のジャパンディレクターとして日々奮闘する中根吉浩さん。これまでファッション業界で培ってきた審美眼は本物である。
それは車選びにおいても同様で、以前はアメリカン・モーターズ(AMC)社製の1986年式「ジープ チェロキーワゴニア リミテッド」を所有。ただ、あることをきっかけに現在モデル(当時)に乗り換え、12年ほど乗り続けている。
目利きに秀でた男のチェロキー愛
チェロキーからチェロキーへと乗り換えた中根さん。以前の車にもかなり思い入れがあり、手放す際には葛藤もあったという。
「以前、僕が乗っていたのはいわゆる『XJ』と呼ばれる型。ジープ好きの中でチェロキーといえば初代の『SJ』を指す人も多いですが、2代目の『XJ』も負けず劣らず人気で販売台数の多さもそれを物語っています。
ボディがカクカクで、フロントライトは4つ目仕様。外装にウッドパネルが入り、内装もベージュカラーのレザー仕上げ。チェロキーの源流ともいえるワゴニアの雰囲気を『XJ』に落とし込んだという点でとても画期的な車でした」。
「手放したくない気持ちもあった」と中根さんは語るが、旧車ならではのトラブルには勝てなかった。
「何度修理してもオイル漏れはしますし、煙も吹く。空調も動きはしますが、快適な車内とまではいきません。乗り換えを決意したのは、やはり我が子の存在が大きかったですね。子供が1歳ぐらいまでは旧車に乗っていましたが、家族と遠出できないなと……」。
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