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五感を磨くことが危機管理能力を高める

地道な活動を経て、現在はメディアをはじめ、全国各地の学校や企業、被災現場などで独自の防災対策について伝え続けている。

その活動のスローガンが「フィードフォワード」だ。フィードフォワードとは、人間が持って生まれた五感を駆使して自ら身を守る行動を起こすこと。

「今はスマホで簡単に情報が手に入る時代ですが、その情報に惑わされて“自分らしさ”を見失ってしまう方が非常に多い。防災で大事なのは、見る・聞く・嗅ぐ・肌で触れて感じとる、といった人間本来の機能をきちんと活用することです」。



この”人間本来の機能”は、実際の災害時にどう役立つのか。

「自分の五感を活かすことで、自ずと主体性、能動性を持つことになります。例えば、大多数が右へ向かって歩いているけど、変な音がしたから僕や私は別の道を選ぼうとか、ここで待機する指示があったけど何か燃えている匂いがするから離れようとか。そういったことを自分で考えて動けるようになります。

多数派に流されるのではなく、日頃から自分で考え、自らの感覚で行動することが危機管理能力を高めることになるんです」。



もはやスマホやネットなしの生活は考えにくいが、五感を養い、危機管理能力を高めるためには、登山やサーフィンなど、自然を相手にしたアウトドアスポーツがおすすめだという。

「自然の中に身を置くことで五感も研ぎ澄まされて、肉体的な機能も高まりますから」。


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