名店③ ベイエリアで地元民に愛される「福々亭」

駅前エリアの名店に続いて紹介するのは「福々亭」。函館屈指の定番観光スポットとして名高い「ベイエリア」に佇む、1976年創業の老舗だ。

最寄り駅は、市電大町停留場。函館駅前停留場から「函館どつく前」行きの市電に乗車し、揺られること約10分で大町停留場に到着。同停留場から店の距離は徒歩1分ほど。

函館駅から少し距離があるというロケーションも相まって、お客さんは、地元の方々が中心。私が訪問したときも、近くに住んでいると思しき方々が数名、「いつもの味」に舌鼓を打っていた。



同店が提供する麺メニューは多岐にわたる。「塩ラーメン」「醤油ラーメン」「みそラーメン」「ネギラーメン」「カレーメン」「五目メン」などに加え、「あんかけ焼きそば」も提供。「あんかけ焼きそば」の評判も上々だが、初訪問であれば、やはり「塩ラーメン」を薦めたい。

透明度が並外れて高い黄金色の清湯スープの表面に、粒状と化した液状油がプカリと浮かぶビジュアルは、視認しただけで食欲がそそられる超イケメン。



スープの素材は、豚骨、鶏ガラなどの動物系素材が中心。豚よりも鶏の存在感を相対的に前面へと押し出した味わいは、豚か昆布のいずれかのうま味を強調する傾向が目立つ「函館塩ラーメン」の中では、かなりレア。

心持ち柔らかめに茹で上げられた中太麺は、地元・函館の名門製麺所「日の出製麺」製。スープを過不足なく巻き取り、口元へと運び込むさまに、無上の頼もしさを感じた。

ここまで手間ひまをかけて紡がれた1杯が、高々650円で食べられる。「ベイエリア」観光と合わせて、ぜひ立ち寄っていただきたい優良店だ。