さらには氷まで、バーで飲むような氷が用意できる。後部座席の中央にはモノグラム社の加熱アイスプレス機が、綺麗な球体の氷を提供してくれる。ゆっくりと溶けていく、最高級のスピリッツにふさわしい氷まで気配りするなんて、さすがは“おもてなし”を尊重するレクサスらしい所作だろう。
中には「カクテルが飲みたいな」なんて、奔放なゲストがいるかもしれない。けれど、ピザ窯を使うために開けた観音開きの片方のドアには、シェーカーやビターズをはじめとしたバーキットが用意されているから大丈夫だ。ゲストに好みのオリジナルカクテルを作ってあげよう。
センターコンソールにもテーブルが備わる。
何しろ、ベースは悪路もへっちゃらなレクサスGX。都会の喧噪を離れて満天の星空を眺められるエリアへ訳なく行ける。
そんな景色を眺めれば、ピッツァだって食べたくなるし、バーボンやカクテルでほろ酔いしたい気分になってもおかしくない。
最近はアウトドア用ピザ窯をネットで簡単に買うこともできるし、ピザ以外の美味しいキャンプ飯を作るほうが性に合っている人も多いだろう。レクサスもそれを知ってか、このコンセプトカーを量産するつもりはなさそうだ。
観音開きの片方にはバーキットやビターズを収納でき、折り畳み式カッティングボードが備えられている。
そもそもモノグラムGXには、加熱アイスプレス機を置く代わりにもっと冷蔵庫を拡張したほうがいいのでは?とか、つっこみどころはたくさんある。
せいぜいキャンプじゃなく、お昼の丸の内にキッチンカーとして現れたら、結構人気が出るような気はする。というか、最初から売る気はなく、「レクサスならこんなことやれま〜す」と遊んでいるのだろう。
モノグラムGX は今年6月14日~16日にコロラド州アスペンで開催されたフード&ワインクラシックで披露された。
けれど、その遊び心がレクサスのいい“味”になる。格式張ったおもてなしより、遊び心のあるおもてなしのほうがGXには似合うじゃないか。やっぱりレクサスのSUVは、まだまだ無限に遊べる車なのだ。