OCEANS

SHARE

島の女性が神女になる儀式「イザイホー」とは



もう少し詳しく説明すると、その島には「イザイホー」という琉球王国時代から600年以上も続いた神事があって、それに参加できるのは島で生まれ育った女性のみ。島を守るための霊力を受け継ぎ、神女になるために行われる儀式なんだそうです。

上原さんが会った女性はこの儀式に参加したであろう神女の1人で、その女性をぜひ探してみようと、島に撮影許可を申し入れてフェリーで向かいました。それが今年2月の話です。


advertisement

僕らサイドの不手際でしたが、島に着くと「取材に来ることは聞いてない」と担当者につっぱねられたんです。行政に許可はもらっていると伝えたんですが、「お前は嘘つきだ」とまで言われて。出鼻をくじかれました。

島にはいくつもの決まり事があり、足を踏み入れてはいけない場所があるそうです。守るべきものがあるから、厳しい態度で接してきたんでしょうね。

「もう勝手にしろ」という態度で、それ以上のコミュニケーションが取れないまま、僕らは仕方なく取材を始めたんです。
4/7

「あの人が……」鎮座する100歳の老婆



小さい島なので、聞けば何か知っている人はいるんじゃないかと、僕らは上原さんがお世話になったという女性を探し始めました。

「イザイホー」に参加した人はもうみんな80歳を超えていて、島には数名しか残ってない。残っていても島にいなかったり、もしかしたら僕らが探している人は他界されているかもしれないことも、聞き込みをしてわかりました。

ただ、100歳のお婆さんが近くにいるから会いに行ってみてはどうかとアドバイスをもらったんです。その方が神女かどうかもわからないまま、教えてもらった住所に向かいました。
advertisement



そのお宅を訪ねてみると、なかに人がいて、今回の企画趣旨を説明しました。神女やユタみたいな方を探しているが、この辺りにいませんか、と。

すると、その女性は「ここでは神女です、ユタではありません。ユタとは絶対に言わないでください」と僕らを正してきたんです。また、「YouTubeの企画だと言われても、事前の説明がないまま急にお話はできません」と。またもや、門前払いでした。

急な来訪だったのでその通りだと、僕らは謝罪してお宅を後にしました。
5/7

次の記事を読み込んでいます。