渋谷区神泉町「ワインアパートメント」外観。
不動産企画開発事業を中心に飲食店の経営なども手掛けているウェイヴズ株式会社。
その代表的な開発に、ワインがコンセプトの賃貸マンション「ワインアパートメント」がある。マンションの地下に「ワインカーヴ」があったり、「管理人がソムリエ」だったりと普通のマンションとは明らかに異質だ。
コンセプト企画からはじまり、次のフェーズに向けた進化など、ウェイヴズ株式会社 クリエイティブディレクターの垣田智則さんに詳しく伺った。
【写真11点】「ワインアパートメント」を写真でチェック マンションの管理人にソムリエを抜擢。ユニークな視点で動き出したコンセプト開発
ウェイヴズのクリエイティブディレクター 垣田智則 / @ワインアパートメント地下カーヴ
ワインアパートメント誕生のきっかけとなったのは今から15年ほど前の2009年ごろに遡る。ウェイヴズ株式会社のグループ会社でマンション管理会社イノーヴ株式会社の当時の代表取締役のアイデアから生まれた。
「実は当時、私はまだこの会社に属しておらず都内のレストランでソムリエとして勤務していました。当時のイノーヴは分譲マンションの管理を主に手掛ける会社で、マンションへの管理人の派遣も担っていました。
そこで、せっかくマンションの管理をするのであれば、『私たちで自由にマンションを建てて、好きな管理人を置こう』という発想だったと伺っています。そうしてまずは管理人をどうするかという企画からスタートしていったようです。社員同士でアイデアを出し合って、どういった管理人が良いかブレストしました。『美容師が管理人だったら？』『ミュージシャンが管理人だったら？？』といったアイデアや『芸能人が管理人だったら？？』とさまざまなアイデアも出たようです。
「実際に芸能人が管理人だったら、そのファンの人たちが住む。そして実際に芸能人の管理人が入居者向けのサービスを展開するなら、入居者1人の管理費が20万円だったとしても住むだろう」という案も出ました。管理費20万円は大げさですが、仮にそうだとして、住戸が全部で20戸あればトータル400万円/月額で芸能人をひとり雇うことも無理ではありませんよね。
そういう視点でコンセプトは進んでいき、当時のイノーヴの代表がワイン好きだったこともあり『ソムリエが管理人だったら？』というアイデアが徐々にブラッシュアップされていきました。
ソムリエが管理人だったらワインの保管もしっかりしなければいけない。ヨーロッパに行くとワインの保管はしっかりされているが、日本では住まいの中にワインをきちんと保管できるスペースがないといったことから、コンセプトの土台は『マンションの地下にワインカーヴ』、『管理人はソムリエ』とどんどん絞られていきました」。
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