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馴染みは薄いが絶品! エジプトのローカルグルメを紹介

さて初回は、僕が3カ月ほど滞在したエジプトを取り上げたいと思います。

エジプトといえば、遺跡観光が有名ですが、砂漠とナイル川の恵みから作られた料理は遺跡と同じくらいの魅力があります。古代から続く豊かな食文化を持つ国で、どの料理にも歴史と風味が詰まっているのです。

エジプトの国民食といえば「コシャリ」。日本ではあまり馴染みがありませんが、僕はエジプト滞在中にこの料理を100回以上は食べたと思います。それくらい絶品なのです。

エジプトの国民食のコシャリ。

エジプトの国民食のコシャリ。


コシャリとは細かいパスタや穀物、豆類をトマトソースに絡めて味わう料理。揚げたニンニクの風味がトマトソースと絡み、飽きることのない味です。豆やパスタ、米などが混ざり合い、口の中で食感の違いも楽しめます。


お店によっては、写真のようにレバーのトッピングが可能。塩、コショウで味付けされたレバーを乗せることで、コシャリに肉の旨みが加わり、深い味わいにになるのです。またコシャリを扱う店には各テーブルに味変用の酢が置いてあり、途中で酢を回し掛けてさっぱりした味を楽しむこともできます。

値段もMサイズのレバー付きで34ポンド(約150円)とお手頃。エジプト定番のコシャリは安くて美味しくて、100回食べても食べ飽きません。

右上にある銀色の入れ物ダッアと呼ばれるがお酢。地元の人が良く使っている。

右上にある銀色の入れ物ダッアと呼ばれるがお酢。地元の人が良く使っている。


ローカルなコシャリ店には現地の学生や周辺で働くおじさんたちが入ってきます。僕がお店で食事をしていると、現地の人からよく声をかけられ、相席してお話ししました。皆さん日本のことに興味深々で、根掘り葉掘り聞かれましたね。

コシャリをお腹いっぱい食べたあとは、仕事のある人はぞろぞろと職場に戻り、時間のあるおじさんはシーシャ(水タバコ)の店やカフェに行きます。

ローゼルティー

現地のカフェで飲むハイビスカスティー。


エジプトのおすすめドリンクはハイビスカスティーです。酸味のあるさっぱりとした味で食後にはもってこい。エジプト滞在中は数え切れないくらい飲みました。

ハイビスカスティーは現地の言葉で「カルカデ」といい、ローゼルという食用の花から抽出しています。安い店では一杯10〜20ポンド(約40円〜80円)で飲めます。

アラブ圏のデザート「クナーファ」

アラブ圏のデザート「クナーファ」。写真上部が柔らかい生地の「ナーイメ」、写真下部がサクサクした生地の「キシュナ」。


そして忘れられないのが、「クナーファ(コナーファ)」というデザート。チーズや蜂蜜が使われていて、塩気と甘さのバランスが絶妙です。

クナーファには、「ナーイメ」と「キシュナ」という2種類があります。前者はチーズを柔らかい生地で挟んだもの。後者は麺状のカダイフという生地でチーズを挟み蜂蜜をかけて食べます。

生地は柔らかいですが、たっぷり挟まれたチーズは想像以上に伸び、モチモチ食感。ハイカロリーではありますが、ひと口ごとに幸せを感じられるはず。安い店でひと切れ15〜30ポンド(約60円〜120円 )くらいで味わえます。

カイロの道端で売られてるクナーファ。

カイロの道端で売られてるクナーファ。


クナーファはエジプトだけでなく、アラブ圏全体で親しまれていて、国ごとに蜂蜜やシロップをかけたり、ローズウォーターと一緒に味わったりします。

日本ではなかなか目にする機会がないですが、アジア圏だと、イスラム教徒の多いマレーシアやアラブ人街のあるシンガポールでクナーファが楽しめますので、機会があればぜひ。

カイロで食べた綺麗めなエジプトの朝食セット。豆をクタクタになるまで煮込んだフール(左・銀色の器)。

カイロで食べた綺麗めなエジプトの朝食セット。豆をクタクタになるまで煮込んだフール(左・銀色の器)が絶品。


エジプトの食卓に外せないのが豆! 柔らかくなるまで豆を煮込んで軽く味付けした「フール」が、エジプト人の定番の朝食です。軽く塩気のあるフールをパンに付けて食べるのが一般的です。

優しい味わいのフールは朝ごはんにちょうど良く、豆本来の味を楽しむことができます。写真ではスープのように見えるかもしれませんが、豆を煮込んだ料理なのでずっしりと重みがあり、食べ終わる頃にはお腹いっぱいになります。

現地の人は両手で分解しながら食べていた。

現地の人は両手で分解しながら食べていた。


エジプトのディナーでは、珍しいハト肉料理を食べたこともありました。鳩の中に米を詰めて丸焼きにした料理「ハマーム・マフシー」は、昔祝いの席や客人に出す、おもてなし料理だったようです。

例えるならハト肉は「しっかり焼かれた薄いササミ」という感じ。肉は少な目でタンパクですが、クセがなくとても美味しいかったです。味付けはシンプルな塩のみ。炭火で表面がカリっと焼かれていて香ばしく、肉をスルメのようによく噛んで楽しみながら、山盛りのご飯を食べました。



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