名店④ メニューが豊富、市原エリアを代表する「ちば宝来」
今回コラムの最後を飾るのは、1983年に創業し40年以上の長きにわたり、市原市民の胃袋を支え続けている「ちば宝来」。名実ともに、市原エリアを代表する実力店のひとつだ。
店舗の場所は、最寄り駅である姉ケ崎駅(JR内房線)から約1.5km。車でのアクセスが便利だが、見晴らし良好な高台に位置するので、あえて徒歩で訪問するのも手頃な運動になるだろう。
同店が提供する麺メニューは、あらかじめお目当ての品を決めておかないと、選択に迷うことが確実視されるほど多様。
定番の「ラーメン」「塩ラーメン」「味噌ラーメン」から、商品名から内容が想像できない「ジャンガララーメン」&「大トロラーメン」、栃木県佐野のご当地麺「佐野ラーメン」まで提供するという「引き出し」の多さを誇るが、オススメは、ここでしか味わえない完全オリジナルの「ジャンガララーメン」だ。
「これで満足しない者はいないだろう!」とでも言わんばかりに浮かぶ大量の玉ネギとニンニクが、口を付ける前から食べ手を圧倒。
スープをすすれば、これがまた、予想の斜め上をゆく超本格仕様であることに驚かされる。豚骨・鶏ガラ・野菜など、さまざまな素材を半日かけて炊き上げることで生まれる深い滋味とコクが、味・嗅覚を満足感で包み込む。長年同じものを作り続けてきた老舗ならではの安定感がダイレクトに伝わる、食べていてうれしくなるスープだ。
フルボディのスープを盤石な土台としながら、玉ネギのリッチな甘みとニンニクの芳醇な香りが、味覚中枢と快楽中枢を激しく刺激。自家製ラー油のピリリと刺激的な辛みも、スープの味わいを引き締め、まとめ上げ、さらなる厚みを添える役割を演じ切り、気が付けば丼が空っぽになっていた。
水と小麦粉に徹底的にこだわった香り高い自家製麺が満喫できる点も、製麺所から麺を卸すラーメン店が大多数を占める市原エリアにおいては、極めてレア。
同店が、市原ラーメンシーンの屋台骨を支える「要」のひとつであることに、異論を差し挟む余地はないだろう。