連載「俺のクルマと、アイツのクルマ」男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。
■38人目■ 土佐有輝(29歳) 土佐有輝(とさゆうき)●1994年生まれ。お笑いコンビ「土佐兄弟」の弟。TikTokフォロワー数は130万人超。YouTubeチャンネル「土佐兄弟の青春チャンネル」。インスタグラム@tosakyodai_otot
フィアット(FIAT)500
前回の土佐卓也さんに続いて、今回は実弟の有輝さんが登場! 兄の角張った日産 ラシーンとは対照的な「フィアット 500」は、小回りの効くコンパクトさとイタリア車らしい洒落たデザインが魅力。かのルパン三世が愛した車としても知られる。
丸くてかわいいフォルムが「有輝らしい」
ゆるふわで掴みどころがなく、だけど強烈に人を惹きつける何かがある。湘南の空に溶け込むライトブルーと丸みを帯びたデザインは、ちょうど有輝さんのキャラクターとクロスオーバーする。
卓也「フィアットって、すごく有輝っぽいんですよ。丸くて小さくてかわいい。兄からすると、弟のイメージそのまんまです」。
7つ離れた兄の目にはそう映る有輝さんだが、実は最近までジープのレネゲードに乗っていた。ちょうどフィアットの反対側に位置するような、ジープらしい無骨さを備えたスモールSUVである。
有輝「ある番組がきっかけで買ったレネゲードに2年くらい乗っていました。自分の給料で初めて買った車です。だから思い入れも強かったし、一生大事に乗って行こうって思ってたんですけどね」。
しかし2024年の新年早々、予期せぬ事態が兄弟を襲う。
有輝「今年の1月2日、親父が急に倒れちゃったんですよ。ちょうど俺たちはラジオを終えたところで、すぐ病院に向かったんですけど、そのまま2日後に亡くなって。
このフィアットはもともと親父の車で、まだ買って3カ月くらいだったのかな。すごく納車を楽しみにしていて、ようやく迎えたところだったんですけどね。それもあって、『じゃあ俺が引き継いでやるか』って」。
父の愛車を受け継いだ弟を、兄はどう見ているのだろう。
卓也「粋だねぇ、と思いました。家族会議で『父の車をどうするか』って話になったんです。母は運転しないし、駐車場を借りたまま置いておくだけじゃお金ももったいない。そうしたら有輝が『じゃあ、俺が乗ろうかな』って。
意外に男気があるんですよ、昔から。僕のうちは4人家族だから小さくて乗れないので。言ったその場でジープのディーラーに電話してました。手放さなくて済んで母も喜んでましたよ。よく夫婦でドライブに行ってたので」。
意外にも、フィアット 500のサイドミラーは手動で開閉するスタイル。
車の鍵もあえてキーレスを採用せず。イタリア職人のこだわりが感じられる。
有輝「今ではフィアットの方が自分らしくて、しっくりきています。レネゲードでは入りにくかった路地も運転できるし、馬力もある。ブルーも昔から好きなんですよ。小さい頃に使ってた筆箱もゲームボーイも青だったし、初めて買った漫才衣装のネクタイも青だったなぁ」。
卓也「そういえば、親父も青のセットアップとか着てたよね」。
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