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Have a nice ONSEN trip
そんな中、開店のきっかけとなる現在の店舗物件に出会ったのが、コロナ禍の2020年だ。
「以前から、知り合いの不動産屋にいい物件を探してもらってました。コロナ禍で借り手が見つからないと言われて紹介してもらったのが、ここだった。新築でガラス張り、殺風景な作りが逆に自分好みの内装にアレンジできると思ったんです」。
お店のイメージは、国の印象が強すぎないモダンなデザイン。
「装飾はウズベキスタンのものを使っていますが、日本人やほかの国の方も入りやすいよう、なるべくシンプルにようと思いました」。
看板メニューは、アクマルさんの好きな料理でもあり、ウズベキスタンの国民食である「プロフ」に決めた。現在もいちばん人気のメニューだ。
「プロフはピラフの原型とも言われてるお米料理。ウズベキスタンではどこの家庭でも作るけど、本来は大きな釜で大人数で食べるもの。多ければ多いほど美味しくなるんです。
現地ではプロフセンターという専用の食堂もあって、物凄い大きな釜で作ってます。本場の味を出すためには、釜戸も本場のものが必要だと思いました」。
そこで、本国から職人を呼んで作ったのがこちらだ。制作にはかなりの時間がかかり、オープン日もずれ込んだとか。そうまでして完成させ、ついに日本で唯一のプロフ専用の釜があるお店が誕生した。一回で70人分のプロフが作れるそうだ。
さて、そのお味はどんなものか。
「プロフも味付けは地域によって違うけど、サマルカンドのプロフのはアマニ油を使ってるのと材料を混ぜないで具を重ねていくのが特徴。味付けはクミンと塩だけ。数時間かけて作るからラムとビーフのエキスが染み込むんです。プロフもナンと一緒に食べますね」。
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