サラリーマン時代に出会った憧れの車
15年越しの想いが実り、今年3月にようやく手に入れた日産ラシーン。愛称は「ラッちゃん」。
「1994年製なので、大谷翔平と同じ年なんですよ」と卓也さんは目尻に皺を寄せる。
薄いモカブラウンのボディやインテリアのウッドパネル、マットブラックのフロントやホイールは前オーナーによるカスタムだという。
「前のオーナーさんのセンスがめちゃくちゃ良かったんだと思います。唯一、僕はシートを茶色のレザーに張り替えたくらいで、あとはそのまま引き継いでいます」。
卓也さんとラシーンの出会いは約15年前に遡る。
「芸人になる前、自動車保険を扱う会社で働いてたんです。ありとあらゆる車種の見積もりを取っていたので、もう知らない車はないと思っていたんですけど、ある日『ラシーン』っていう名前を見て、なんだこれ?って。
確か22歳のときですかね。検索したらフォルムがめちゃくちゃカッコよくて、それ以来、街でもラシーンしか目に入らなくなりました」。
最近の車ではお目にかかれない尺長のアンテナ。エンジンをかけるとニョキッと伸びる。
いつかは乗りたいと憧れたが、もともとタマ数が少ない車だ。そう簡単に理想的な一台が見つかるはずもなく、しばらくは義父から借り受けたスバル「XV」に乗りながらその日を待った。
そして今から約半年前、ついに運命の出会いを果たす。
「オークションに出てるのを知人が見つけて連絡をくれたんです。『卓也、出てるよ!』って。外装、内装、車の状態……、走行距離も7.4万kmで、すべてが僕の求める条件にピッタリでした。
運命を感じて、すぐに落札してもらいましたね。シートを張り替えるのに3カ月かかって、納車されたのが今年4月。今でも毎日感動してます」。
ラシーンの車高はルーフラック込みで149cm。「自宅の駐車場が機械式で、高さ制限が厳しいんですよ。そういう意味でもラシーンは最適でした」。
3/5