食文化がわかるチベットのソウルフード

チベットの食文化を語る上で欠かせないのが、主食でもある「ツァンパ」だ。ロサンさんは「チベット人はツァンパとバター茶がなかったら生きてこれなかった」と言う。

ツァンパとは青麦（麦の一種）を炒めた粉で、日本でいうところのはったい粉（麦こがし）に似ている。

ツァンパにバター茶を混ぜながら丸め、バター茶と一緒に食べる。

「ツァンパ・セット」1000円

「ツァンパにバター茶を加えて丸めたものを食べるのがチベットの伝統的な朝食。あとでお腹が膨れるから、たくさんは食べない。腹持ちが良くて栄養価もあるけど、これだけでお腹いっぱいになるからレストランではあまりオーダーが入らないね（笑）」。

世界の屋根と称されるチベット高原は標高が高く、海もないため農産物は限られている。羊などの家畜を飼う牧畜民も多いが、チベットを代表する動物「ヤク」の存在も大きい。

バター茶は雌のヤクから採れた乳のバターと茶、塩を攪拌したもので、茶というよりスープともいえる味わいだ。



「ビーフモモ（6P）サラダ・スープ付」1200円

ネパールレストランでもよく見かける、チベット餃子「モモ」は定番のメニュー。味はイメージ通り小籠包に近い。

「モモの中身はヤクの肉で作るのが一般的。でも日本にはないから、一番近い牛肉を使っています」。



「ラム・ギュマ」1200円

ラム・ギュマはラムの腸詰め、チベット式のソーセージ。今年から店内で提供しているチベットビールにもぴったりのおつまみだ。



「ポーク・テントゥク」1200円

チベットの人は辛いものを好むが、料理そのものは素朴で優しめの味付けが多い。

夕飯に食べられることが多いのは、チベット式のすいとん「テントゥク」。羊などの肉や野菜を煮込んで、出汁が効いたスープに手延べの麺をちぎって入れて煮込むもの。

「現地では大鍋で煮て、みんなで麺を手でちぎって入れて作る。チベット人はお肉が大好きだけど、お店にはベジタイプのモモやテントゥクも出してますね」。