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凄い機能① 湿気を溜めず外に逃す「透湿性」



阿部 デモキットを使いながら素材の説明をします。ここにゴアテックス メンブレンの手袋とビニールの手袋があります。

実験に使うゴアテックスメンブレンの手袋。

実験に使うゴアテックス メンブレンの手袋。


阿部 ゴアテックス メンブレンがこちらです。多孔質構造という非常に細かいクモの巣状の構造で、光が乱反射することで肉眼では白く見えているのですが、実際には透明です。

これが水を弾きながら内部の蒸れを放出します。



阿部 まず、片手をゴアテックス メンブレンの手袋に、もう片手を普通のビニール手袋に入れてください。少し手を動かすと、手袋の内部に左右で違いが出てくるのがわかりますか?

――普通のビニールは、手にじっとりと張り付いてきました。湿気が溜まっている感じ。




阿部 そうなんです。ビニール手袋の中には汗が湿気となり蓄積していきます。例えばビニールの雨合羽を着ていると体にベトつく感じがしますよね。これは雨合羽の内部に湿気が溜まってしまうからなのです。ゴアテックス メンブレンの方はいかがですか?

ーーこちらはまったくベタっとしませんね。

阿部 ゴアテックス メンブレンは汗を外へ放出するので湿気が中にたまりません。これこそがゴアテックス素材の性質のひとつ、透湿性の効果なのです。

もうひとつ、ゴアテックス素材の透湿性の凄さがわかる実験をしてみましょう。

ゴアテックスを使った生地

ゴアテックス素材を使った生地


ビニール

ビニール


阿部 ここに2種類の素材を用意しました。青い方がゴアテックス素材を使った生地、透明の方が普通のビニールです。

さらにその下へコップを置き、ゴアテックス生地とビニールにお湯を注ぎます。

ゴアテックスを使った生地

ゴアテックス素材を使った生地


ビニール

ビニール


阿部 どちらも防水性があるので、当然お湯はビニールから漏れませんが、コップをご覧ください。

[左]ゴアテックス、[右]ビニール

ゴアテックス生地[左]、ビニール[右]


阿部
 ビニールの下のコップには何も変化が起きませんが、ゴアテックス生地のコップの表面は蒸気で白く曇っています。お湯を通さず湯気だけを通している証拠です。

ゴアテックス メンブレンは、非常に細かい穴が連続的に開いている素材。その穴は非常に小さく水蒸気だけを通し、優れた防水透湿性を生み出しているのです。


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