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グローバルの生産拠点「MMTh」

エクスパンダーHEVと新型トライトン(日本向けを含む)は、このテストコースからクルマで30分程の距離にある、レムチャバンのMMThで生産されている。

エクスパンダーHEVの最終組み立て工程(写真:三菱自動車工業)

エクスパンダーHEVの最終組み立て工程(写真:三菱自動車工業)


同施設では、ほかに先代トライトンと車体を共用する「パジェロスポーツ」、日本では先代モデルにあたるアウトランダーPHEV、さらに日本では販売が終了した「ミラージュ」とそのセダンモデル「アトラージュ」も生産されている。ミラージュは、タイで今も根強い人気を持つ1台だ。

今回、エクスパンダーHEV、ミラージュ、アトラージュの生産を行う、MMTh第3工場の最終組み立てラインを視察した。同じ工業団地内に、パジェロスポーツを製造する第1工場、トライトンを製造する第2工場、そしてエンジン工場のMECがある。

ハイブリッド用電池パックの生産工程(写真:三菱自動車工業)

ハイブリッド用電池パックの生産工程(写真:三菱自動車工業)


MMTh全体での年間生産能力は、完成車のみで42万4000台。2022年度の実績は、年間27万台だ。

日本の岡山県水島工場(23万8000台)、愛知県岡崎工場(21万5000台)、インドネシアMMKI(15万6000台)、フィリピンMMPC(4万3000台)、そして中国GMMC(2万7000台)をしのぐ、三菱として世界最大規模を誇る。

また、MMThは輸出拠点であり、中南米、中東、アフリカなど世界120カ国向けに出荷しているという。

レムチャバン港にあるMMThの完成車保管場所。最大2万3000台の保管が可能(筆者撮影)

レムチャバン港にあるMMThの完成車保管場所。最大2万3000台の保管が可能(筆者撮影)


そのうえで、三菱のグローバル事業を販売台数で見ると、2022年度の世界83万4000台のうちASEAN(東南アジア諸国連合)が全体の32%(うちタイは6%)でもっとも多く、以下、中東・アフリカ・中米(18%)、北米(16%)、日本(11%)、オーストラリア・ニュージーランド(10%)、欧州(7%)、中国(6%)と続く。

こうした数字を見れば、三菱にとっていかにMMThの存在が大きいかがよく分かるだろう。


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