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アンブローズもボーズと同じように考えている。

「日本のブランドは、プロポーションとスケールに重点を置いています。私たちが今ストリートウェアやラグジュアリーの分野で目にしているものの多くは、日本から来ています。特に高機能服の分野は」と彼女は説明する。

「日本には、特にアメリカに輸出された場合、より高級でプレミアムな品質と思われる、美しく作られたワークウェアがあります。私たちはそれを高く評価しています。1999年に日本のセルビッチデニムを使ったことは画期的でした。日本人はプレミアム価格でデニムを買うという高い視点を持っているように見えました。ジーンズに1000ドルも出すなら、日本製のセルビッチデニムでなければなりません」

日本人独特の「ファッション観」

「日本人はファッションにお金をかけます。それがアメリカと日本の大きな違いです。日本人は家を持たず、アパートも狭いかもしれないけれど、ファッションにはお金をかける。それがここ日本では普通なんです」とボーズは補足する。

「ヒップホップファッションを着ている人の多くは、ヒップホップカルチャーに興味があるわけでも、ラップミュージックを聴いているわけでもない。彼らはそのスタイルが好きでやっているだけで、その中に身を置いているわけではないのです。クールであればそのスタイルを取り入れる、というのが日本人の特徴です」

だから、ジェイ・Zやファレルが日本に来て、エキゾチックな要素もある、仕立てのいい日本の服を見つけたとき、彼らは唖然としたわけだ。そして、その一部をアメリカに持ち帰った、とボーズは説明する。

「そして、アメリカのデザイナーが、日本のデザイナーの真似をするようになった。その日本人のデザイナーは別のアメリカのデザイナーから影響を受けたり、インスピレーションを得たりしている。それがファッションと文化の交流の本質です。つまりコピーのコピーです」


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