頻繁にときめいていた方が、生活にハリが出ると思います。
僕の周りを見ていても、幸せに暮らしている方は、あらゆるものに頻繁にときめいているように感じます。ときめきやすい人、あるいはときめきやすい環境にいる人は、日々の暮らしにハリが出て活力がみなぎるのかなと考えています。
この現象は、人間以外の生物に置き換えてみるとわかりやすい。家畜やペットなど、何匹も同じ生物を同じように飼っていると、食が細かったり、食いしん坊だったりなど個体差があります。そしてよく食べる個体ほど早く大きく育っていきます。そう考えるとやはり頻繁にときめいて、貪欲に行動していた方が生存に有利な気がします。
人間は、ときめいた後にどう行動するのかも重要です。例えば僕の場合、ずっと見たかったトカゲが急に道端に出てきたとします。たくさん人が歩いていて恥ずかしいけれど、人目をはばからず、ときめいた感情そのままに飛びかかるか。それとも社会的な立場を考え、今は我慢して次のチャンスを待つか。多分、飛びかかったほうが結果としては幸せになれると思います。
もちろん日常生活では心の赴くままに行動しないことが正解な場合もあります。どう冷静に選択肢を見極めるか。感情をどう有効的に使い原動力にするか、それが大切です。
2017年に新種記載されたばかりの深海魚アオスミヤキを釣った平坂さん。「捕まえた魚の名前がわからないのはほとんどはじめての経験でした」。
Q.平坂さんの「ときめき」の感情は、5年先も変わらないと思いますか? それとも カタチが変わったり、なくなったりすると思いますか。
地球に未知の生物がいる限り、僕のときめきは尽きません。
38年間、生物に魅了されているので、それはこれからも変わらないと思います。でも、小学生の頃と今ではときめきのカタチが変わっています。昔は図鑑でしか見たことのない生物を捕まえることが喜びでした。でもだんだんと「図鑑で見たやつだ!」ではなく、図鑑に載っていないものを見つけられたことに感動するように。そして今では、図鑑に載っていないどころか、もしかしたら人類史上まだ僕しか見たことがないのではないかという生物に出会えるようになりました。
まだまだ地球上には洞窟、ジャングルの奥地、地下水脈など人間が簡単には覗けないような環境がたくさんあります。そこには数えきれないくらいの未知の生物がいるはず。そう思うと僕のときめきは死ぬまで尽きないでしょう。
最終的な僕の目標は、人魚とかっぱを見つけること。想像上の生物が実在するとわかったら、これ以上のときめきはない。そのためにも今後は、僕個人の活動を同じ感性を持つ人たちとのチーム戦にしていきたいです。多くの人たちと一緒にもっと活動の幅を広げていけたらいいなと思っています。