連載「漫画、般若。」とは…… 今年3月、世界中から惜しまれつつも急逝した偉大なる漫画家、鳥山 明。
本連載11回目となる今回は追悼と感謝の念を込め、鳥山先生の伝説的名作『ドランゴンボール』をピックアップ!
人生で初めて買った漫画が『ドラゴンボール』
新装版『ドラゴンボール』。こちらも背表紙が1枚の絵になっている。オリジナル版では登場人物のヤジロベーを背表紙に2度描いた鳥山氏のチャーミングなミスがファンの間で話題になった。
『ドラゴンボール』は個人的に、ものすごい思い入れのある作品ですね。
確か『Dr.スランプ』の作者が新しい漫画を出すって聞いて、「面白そうだな〜」って思ったのを覚えてます。少ない小遣いを握りしめて、単行本を買いに行きましたね。
『ドラゴンボール』は僕が人生で初めて買った漫画なんですよ。1巻からリアルタイムで集めていきました。背表紙の絵が繋がっていくのが楽しみだったな〜。
多分、俺世代の人は共感してくれると思うんだけど、鳥山先生の絵は衝撃だったんですよ。上手いんだけど、上手いだけじゃない。それまでの漫画にはないタッチに痺れました。
「こういう乗り物の絵もめちゃくちゃワクワクしましたよね」。
初期のブルマとかめちゃくちゃな可愛さじゃないですか。動物も普通に喋ったりするんだけど、それも全然違和感がない。すごくポップなんですよね。なんなんだろうな〜。いまだに鳥山先生の不思議な絵の世界をどう表現したらいいかわからないですね。
もう歴史ですよ、『ドラゴンボール』は。日本だけじゃなくて、世界中が知ってる作品じゃないですか。かなり昔、ニューヨークでスーパーサイヤ人の悟空のタトゥーを入れてる外国人を見たことあるけど、「やっぱすげーんだな!」って思いましたもん。
「悟空がスーパーサイヤ人になった当時は、みんながザワつきました。ヤベェ、悟空がついになっちゃったよ、って」。
鳥山先生が亡くなったのは、一つの時代の区切りを感じます。もう彼の新しい絵が見れないっていうのは、まだちょっと信じられないですけど、本当に寂しいですよね。
2/5