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② 『カズのまま死にたい』(新潮社)

名フレーズ:「成功し続けるようにみえる人も、実は浮き沈みをしているものなんだ。必ず訪れる波の底で、どれだけ踏ん張れるか。(中略)人生は、何回成功するかじゃない。何回はい上がれるかだ」

三浦知良『カズのまま死にたい』新潮社

三浦知良『カズのまま死にたい』(新潮社)

本のあらすじ
日本経済新聞朝刊で掲載している三浦知良さんのロングランのコラム連載『サッカー人として』をまとめた書籍。時期的には2014年3月〜2019年12月の6年間のもの。本書は同シリーズとして3冊目、コラム連載は現在進行中。サッカーにまつわるトピックを軸に、その時々で感じたことや考えたことが綴られている。キング・カズの、終わりなき前進の軌跡。
これは日経新聞の連載ということもあって、スポーツに限らず、何かしら仕事にも通じるような考え方や心構えも書かれており、もちろん一般の社会人が読んでも大変参考になる一冊です。

1回分のコラムが書籍の見開き2ページ分なので、ボリューム的にも読みやすくて、隙間時間にも気軽に読むことができます。

「成功し続けるようにみえる人も、実は浮き沈みをしているものなんだ。必ず訪れる波の底で、どれだけ踏ん張れるか。(中略)人生は、何回成功するかじゃない。何回はい上がれるかだ」という台詞は、「何回、はい上がれるか」というコラムの締めに登場します。

頂点を極める人には孤独がある、とほかの一流プレイヤーの名を挙げつつ、「最後は自分が自分の味方」「自分自身を信じ切れるかだ」というカズさん自身のスタンスを感じる文章です。

仕事に落ち込む人に向けて、「誰でも浮き沈みはある、何回這い上がれるかが大事だよ」と言えたらいいなとこの台詞を選びました。このフレーズは経験値のある人なら誰でも言えるのかもしれないけれど、言葉って何を言うかよりも、誰が言うかによって重みや影響力って変わってくると思うのです。



三浦知良さんは1998年のフランスワールドカップ出場に大きな貢献をしたにも拘らず、最後の最後でメンバーから外れ、その後もワールドカップには一度も出場できませんでした。でも叶わなかった夢を原動力に、57歳となった今でも現役を貫いている。プロ生活は今年で39年です。そんな彼の言葉だからこそ説得力があると思います。

本の中では「舞台に出て喜ぶのもサッカー人生、悔しさを味わうのもサッカー人生。代表に選ばれなかったからと言ってそこで終わるわけではないし、ワールドカップにでればそこで終わるわけでもない」と書いていて、これもいい言葉だなと思います。「一度沈んだとしてもまた這い上がればいい」、それをまさに体現している三浦知良さんの言葉だからこそ励みになるはずです。


3/3

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