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“世界最高”に到達したポルシェ911

オホス・デル・サラド火山の頂を目指して走る911カレラ4S。

オホス・デル・サラド火山の頂を目指して走る911カレラ4S。


一方のポルシェは、911ダカールよりもさらにタフに改造されたスペシャルな911で、南米チリのオホス・デル・サラド火山を目指した。

13.7インチ(350mm)も車体がアゲられた911カレラ4Sだが、それ以外はほぼノーマル。3Lの水平対向6気筒エンジンを搭載し、標準の7速マニュアルトランスミッションが組み合わされている。

オホス・デル・サラド火山の頂を目指して走る911カレラ4S。

リアから見ても、紛れもなくカレラ。


富士山の2倍近く高い6734mという、これまで車が到達したことのない世界は、気温がマイナス20度前後、空気の密度も地上の半分程度。しかもガソリンではなく「E-フューエル」を用いたという。



E-フューエルとは合成液体燃料で、水と二酸化炭素から生成されるエコ燃料だ。この地球に優しい未来の燃料、つまり未知の燃料を燃やして、最も過酷な最高到達地点を目指したのだ。
 

果たして、6734mでもE-フューエルはポルシェ伝統の水平対向エンジンはピストンを動かし、純正のオイルは何の問題もなく7速マニュアルトランスミッションを滑らかに動かせた。

岩の上を滑ることができるよう、アンダーボディプロテクションを装着。

岩の上を滑ることができるよう、アンダーボディプロテクションを装着。


こちらもまた、市販の911カレラ4Sを13.7インチ(350mm)アゲれば、明日にでも誰かがでE-フューエルを燃やしてオホス・デル・サラド火山までドライブしても、不思議ではないのだ。



それにしても、ふたつの冒険野郎チームは、極限の世界へ行くのに化石燃料は不要だと証明したことになる。これは「奇しくも」なのか「そういう時代」なのか。

いずれにせよ、 “エコカー”でオーバランドやスポーツライドを楽むことができる世界が、もう目の前に迫っているってことらしい。

籠島康弘=文

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