OCEANS

SHARE

三浦 そうはいっても俺の憧れはやっぱりサーファーなんだよね。スタイルのあるサーファーになりたかったから。

種市 僕も若い頃、サーファーの自由なスタイルに憧れていました。その頃ドノヴァン・フランケンレイターの写真を見たんです。ハットを被ってギターを弾きながら、波に乗っている写真を。「何でもありなんだ!」と衝撃を受けました。

ドノヴァン・フランケンレイター。ミュージシャンよりもサーフのキャリアが先。13歳でビラボンと契約したフリーサーファー。写真:横山泰介

ドノヴァン・フランケンレイター。ミュージシャンよりもサーフのキャリアが先。13歳でビラボンと契約したフリーサーファー。写真:横山泰介


渡辺 90年代でいうと(眞木)蔵人さんもカッコ良かった。サーフィンやって芸能人やって、女の子にもモテるのに、そこに頓着しない感じが。

眞木蔵人。俳優にしてサーファー。音楽や映像制作にも才能を発揮し続ける唯一無二のスタイルマスター。写真:cherry chill will.

眞木蔵人。俳優にしてサーファー。音楽や映像制作にも才能を発揮し続ける唯一無二のスタイルマスター。写真:cherry chill will.


三浦 10代の頃はトム・カレンと(ブラッド・)ガーラックが好きだったな。トム・カレンはチャンピオンで、正統派。ガーラックはちょっとアンダーグラウンドな感じだけど、すごくスタイリッシュ。対照的だったね。

トム・カレン。80年代の全サーファーの憧れ。3度の世界チャンピオンに輝いたカリフォルニアの絶対神。写真:Shutterstock.com

トム・カレン。80年代の全サーファーの憧れ。3度の世界チャンピオンに輝いたカリフォルニアの絶対神。写真:Shutterstock.com


ブラッド・ガーラック。80〜90年代初頭に活躍。スタイルを追求し続けたレジェンドは現在オーストラリア在住。写真:横山泰介

ブラッド・ガーラック。80〜90年代初頭に活躍。スタイルを追求し続けたレジェンドは現在オーストラリア在住。写真:横山泰介


種市 ケリー(・スレーター)もスキンヘッドにしてから雰囲気出てきたと思います。いろいろ削ぎ落とされてカッコ良くなってる。

スノーボーダーでいうと……うまい人=スタイルある人かというと、必ずしもそうではない気がして。テクニックは凄いけど何か自然体で格好良く見えない人もいるし、その逆もあるような。

ケリー・スレーター。90年代中盤に無類の強さを誇り、11度の世界制覇を果たした史上最強のサーファー。写真:Shutterstock.com

ケリー・スレーター。90年代中盤に無類の強さを誇り、11度の世界制覇を果たした史上最強のサーファー。写真:Shutterstock.com


渡辺 わかる気がしますね。サーフィンにしろスケートにしろ、試合や競技だと勝つのが到達点じゃないですか。でも勝負に勝たなくても、さらにいえば表舞台に出てこなくても、カッコいいスタイルを持つ人たちは大勢いて。

 僕のアイコンは立川談志師匠なんです。それこそヘアバンドを買ったこともありますが、着けるとさすがに家から出られないっていう。

(一同笑)

種市 でもインスパイアされますよね。談志のようなスタイルになるための、俺の武器はなんだろうって。人間性からいくか、ファッションからいくか。


3/3

次の記事を読み込んでいます。