ラストはナイキ「ACG」の大珍品!
平 ぜひぜひ。さて最後は私物の古いスニーカーを持ってきました。今日はヴィンテージ好きの草賀さんがいるので、敬意を表して。僕はナイキのACGが大好きなんです。
小島 昔から好きだよねえ。
平 好きですねえ。で、去年、ACGの90年代の名作「エア マーダ」が、復刻されたじゃないですか。
草賀 もうちょっと前じゃなかったですか?(オリジナルは1994年、復刻版は2022年に発売)
平 そうだったかも。ただそのとき、この「マーダー モック」(オリジナルは2004年頃に発売)は復刻されなかったんですよ!
ナイキ ACG「マーダー モック」
草賀 それはまあ……復刻されないでしょう(笑)。
小島 今後も予定はないんじゃないかな(笑)。
平 でもこの「マーダー モック」、今逆に良くないですか? モックシューズが来てますし、気分じゃないですか?
小島 確かにいい。ただ、当時は売れなかっただろうな。
草賀 売れなかったからユーズドの弾数が少ないですよね。このスニーカーは今、世界中のコレクターが探していると思います。以前プレイグラウンドでも扱ったことがありますね。といっても2足くらいですが。
小島 まず出てこないですよね。
平 スタイリスト目線で言えば、こういう軽快なスリッポンが春っぽいと思うんです。さっと履けてアクティブな気分にさせてくれる。「マーダー モック」、ナイキさん復刻してくれないかな。アッパーはゴアテックスに変更して。
デザインもよく見ると面白いんですよ。トウの切り替えがウイングチップみたいで。なんでこうしたんだろう。わざとやったのかな。
草賀 もしかしたらデザインは迷走していたのかも。当時のナイキにはそんなイメージがあります。自分はナイキ好きなのでいろんなモデル名を知っているほうだと思いますが、それでも「何だこれ?」っていう見たことのないモデルはある。そういうのはだいたい、2000年代始めくらいのやつなんです。
小島 ある意味“早すぎたデザイン”だったのかもしれませんね。
草賀 確かに。でもこうして今日「マーダー モック」に再会できて、本当にうれしいですね。
平 草賀さん絶対好きだと思って持ってきたんですよ!
小島 このスニーカー、プレイグラウンドで販売してもらえばいいじゃないですか。
平 そうしてもらおうかな(笑)。
草賀 でも本当に状態抜群ですね。美品。
平 買って履かない靴がいっぱいあって。でもこの「マーダー モック」みたいなやつは、ずーっと持っていたいんですよ。マニア心をくすぐるタイプ。
小島 こういうのを探すのが面白いよね。
平 そうそう。古着屋、ヤフオク、メルカリで。また古着屋さんではなくリユースショップやリサイクルショップで、びっくりするほど安い値段で出ているときもある。
草賀 ただ見つけた!と思ってもサイズぴったりっていうのはなかなかなくて。だから昔から大きいやつは履いてましたね。小さいのは足が痛くて履けないけど、大きい分にはなんとかなるだろ、みたいな。ナイキの「ワッフルレーサー」の、US13インチとか履いていました。
平 僕と小島さんは同じ学校(文化服装学院)出身なんですけど、その当時は“デカ履き”も流行ってたんですよ。コンバース「オールスター」の、やっぱり13インチとか。
小島 ピッタピタのパンツに合わせて、シューレースはギュン締めで。僕は25.5cmなんですけど28.5cmとか履いていましたね。
草賀 13インチを履いて階段を上ると、つま先が引っかかるんですよ。コケる。
平 もはやおじさんの昔話になってきましたが(笑)、こういう一足もぜひ探してみてください。まずはご自宅近くの古着屋さんをチェック。
小島 古着屋さんにはオンラインストアに掲載していないモノも必ずあるので、足を運ぶのはやっぱり大事です。
メルカリやヤフオクなどのオンライン市場は、もはやちゃんと相場感ができていて。昔みたいに掘り出し物を激安で買えた、みたいな話はほとんどなくなりました。
ただ古すぎてモデル名がわからないようなモノを、“モデル名不詳”というタグで検索するという手はあります。
平 あ、それいい!
小島 スニーカーも服も、それでたまに“掘れる”ことがあります。えーっと、だいぶ脱線しましたね。
平 そろそろ締めましょうか(笑)。飛ばし過ぎて尺が長くなってしまいましたが、初回ということで何卒ご容赦ください。続く第2回は、プレイグラウンドの草賀さんのおすすめスニーカーをお届けします。お楽しみに!
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