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「中国でいちばん辛い」なぜ、そこまで辛いのか?



中国には「四川人不怕辣、湖南人辣不怕、貴州人怕不辣」という言葉がある。

「四川人は辛さを恐れず、湖南人は辛くても恐れず、貴州人は辛くないことを恐れる」という意味だ。つまり、それだけ貴州料理は辛いのだ。

リンさんも「中国でいちばん辛いのが、貴州料理」と笑う。では、なぜそんなに貴州料理は辛いのか。

「貴州は盆地だから湿気が多い。普通にしてると汗をかかないんだけど、それだと体に良くないでしょ。汗をかくために唐辛子をたくさん食べるの」。

貴州料理は、本場の貴州人ですら汗をかくほど、辛い。その中でもリンさんの故郷である、遵義(ジュンギ)の唐辛子の辛さは別格だという。



「貴州でいちばん大きい街、貴陽(キヨウ)の唐辛子は、遵義のものよりも細くて辛味が少ない。だから遵義の人は貴陽の唐辛子では物足りないんだよね」。

そう話すリンさんの隣では、料理人が黙々と中華鍋を振るう。そして、そこから漂ってくる湯気だけで、鼻の奥がツンとして、すでに辛さを感じられるのだ。


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