OCEANS

SHARE

こどもまんなか社会に向けて大人ができること

「子どもの主体性」や「子どもの意見を聞く」ことは、幼児教育の現場では昔からとても大切にされています。復興の現場でも、「まちのために何かしたい」という声に応えた「復興計画に子どもの意見を反映させよう」という活動もありました。何十年後の復興した町で中心となるのは、私たち大人ではなく、子どもたちなのです。今、小学校以上でも子どもたちの意見をしっかりと聞き入れながら、対話し、校則を見直すといった流れも生まれてきています。

子どもは守らなければいけない存在である一方、一人の人間としての権利を持っている主体です。家庭においても、親が上から言うことを聞かせるのではなく、子どもが何を考え、何を感じているかに耳を傾け、対話しながら一緒に考えていくことが大切です。

小さいからわからないだろう、小さいから判断できないだろうと思いがちですが、何がしたいのか、何が嫌なのかということを言葉で表現できないとしても、子どもたちはたくさんの意見を持っているのです。自分の思いを親に十分に受け止められて嬉しいという体験が、友だちの気持ちを受け止めたい、友だちに喜んでほしいという気持ちを育むのではないでしょうか。

私は、これまでの経歴の中で、不良と呼ばれる子どもたちともたくさん関わってきました。自分を素直に表現することが苦手な子どもたちや、家庭環境に恵まれていない子どもたちは、外から見ると怖い存在に見えますが、実際には純粋で傷つけられることを恐れている子どもたちであることが多かった。どんな環境にいる子どもたちの声も、しっかりと聞いていかなければならないと強く思っています。

今の子どもたちは、これからの変化の激しい時代を生き抜かなければなりません。一人一人に高い資質能力をしっかりと育成し、それぞれのウェルビーイング※を実現していくことが、私たち大人に課せられた使命だと思います。「こどもまんなか社会」の実現に向けて、まずは、目の前の子どもの視点から物事を見つめ直すことから始めてみませんか。

※身体的・精神的・社会的に良い状態にあることをいい、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義など将来にわたる持続的な幸福を含むもの。また、個人のみならず、個人を取り巻く場や地域、社会が持続的に良い状態であることを含む包括的な概念




記事提供:ボーネルンド公式ウェブサイト

SHARE

次の記事を読み込んでいます。