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2024.04.28

新型「センチュリー」SUVのジャーナリスト評。変化する車のフォーマルについて3人の見解

全長5205×全幅1990×全高1805mm 2500万円。

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その意外性から2023年を象徴する一台といわれるトヨタの新型センチュリー。従来4ドアセダンのみが展開されていたが、昨今のトレンドを意識したようなSUVタイプが誕生した。

フロントグリルには精緻な彫刻が施された鳳凰エンブレムが鎮座し、威厳に満ちたセンチュリーらしい風貌を継承。

さらに優れた静粛性を備えつつ、リアシートにはマッサージ機能やフルリクライニング機能が搭載され、コンセプトである“次世代のショーファーカー”を体現する。

車のフォーマルも変化

平成の三十幾年で、日常におけるフォーマルの概念は大きく変わりました。CO2を削減するためには省エネ、そのぶん仕事着はクールビズで出勤OK。

そんな生活のカジュアル化が様式の形骸化を呼んだ側面はあるとはいえ、今やネクタイを締める機会が減ったという方も多いのではないでしょうか。ええ、私だってそうです。

車でフォーマルといえば、黒塗りのセダン!と相場が決まっていましたが、今や政治家の皆さんだってこぞってアルファードです。

そんな緩い車に乗って……なんて苦言を呈する人は今や皆無でしょう。ちなみに欧米でも黒塗りのハイヤーといえばSUVやミニバンが主流です。

そんなご時世ですから、センチュリーが守旧的なセダンと革新的なSUVの2枚看板になろうが、不思議はない。でもトヨタ的にはこの車、SUVではないというスタンスなのです。

なるほど、後席を最高の一等地としながら乗降性や着座姿勢、視界や室内空間から車両形状を詰めていくと、こうなったということなのでしょう。

そういう意味ではこのセンチュリー、1930〜40年代にコーチビルドされていたショーファーカーと発想が近いのかなと思わせられます。
自動車ライター
渡辺敏史

出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。



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