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言葉①結果が出ないことをメンタルのせいにしているから、同じことを繰り返してしまう 



Q:まもなく42歳のシーズンが開幕します。まずは、昨シーズンを振り返りつつ、球界野手最年長となったご自身のプレーをどのように捉えていますか?

(昨シーズンは)不完全燃焼な感じでしたし、もう少し時間が欲しかったですね。自分の良くなかったところ、エラーが起きている原因を追究して、それに対してアプローチしていく作業があったんですけど、それをやっていく中でまた問題も起こってくる。

休む時間も当然必要ですし、それと同時に考える時間も大切だと思うので、その辺は本当に時間がもう少しあれば、解決していたんじゃないか、という感覚はありますね。

Q:近年は代打での出場など役割も変わってきていますが、青木さんがモチベーションを高く保ち続けている要因はどこにあるのでしょうか?

根本は野球が好きなので、楽しむようにしてきたということですね。当然楽しくするには問題を解決して、結果を出すことが大切で、結果が出ると楽しくなる。その作業の繰り返しです。それで結果が出ることで、より楽しさが倍増するということですね。



Q:青木さんは04年にヤクルトに入団し、日本で8年、アメリカで6年、日本に復帰して6年プレーしてきました。20年を超えるプロ生活の中で、野球対する向き合い方、考え方に変化はありましたか?

アメリカに行ったのは、1つの転機かもしれないですね。野球観が大きく変わりました。それまでの自分は、私生活もそうですが、どちらかと言えば細かいことを気にしすぎて、プレーでもすごく切羽詰まった感じが出ていた気がします。

アメリカに行ってから、向こうの環境、ファンの反応も影響したかもしれないですが、よりポジティブになれた気がしますね。

Q:入団2年目にはイチロー選手以来のシーズン200安打を達成し、首位打者も獲得しました。若くしてスター選手になった印象が強いのですが、「切羽詰まった感じ」というのは、具体的にどのようなものだったのですか?

元々、野球に対していつも疑問を持っているようなタイプでしたし、自分が受けてきた指導に対して、当たり前のことでも少し疑問に思うようなところがありました。「あれやっちゃダメ」「これやっちゃダメ」というのが自分の中で強く残ったり、外部からの声を意識したり、「打って当たり前」という期待が苦しかったというのもあります。

ただ、そんな中でも結果は絶対残さなければダメだという気持ちではいたので、こんなんじゃダメだという追い込み方をしていましたね。それはそれで良かったとは思うんですけど、結果は出ていても、迷いが常にありましたし、ポッカリ穴が開いているような感覚でしたね。



Q:スポーツに限らず、現状に不安を感じていたり、結果を求めすぎてしまう人は少なくありません。壁に直面した時に、歩みを止めないためのアドバイスがあればお願いします。
 
探し続けるってことじゃないですかね。探し続けるって多分一番きついんですよね。答えがわからない状況で、いつゴールが来るかもわからないですよね。自分はその限界の先にまた限界があって、またその先、さらに先ぐらいに答えがあるような気がしているんです。

「やっても、やってもなかなか答えが出ない」って諦めてると、多分一生答えが出ないような気がするし、野球界でもよくあるのがそれをメンタルのせいにしたりするケースです。「考えすぎだ」と言う人もいますが、僕はそれは逃げだと思っていて、プロなんだからちゃんと説明できるぐらい問題を突き詰めないと答えは出ないと、自分は思ってますけどね。

Q:すぐにメンタルに答えを求めてはいけないと?

同じことの繰り返しになるんですよ。「考えてダメでした、諦めます」ってメンタルのせいにして、「ちょっと考えすぎだな、リラックスしていこう」って。それでまた試合に臨んで打てなかったり、何か知らないけど打ったりもするんですよ。そうやって打てても、結局その打てた理由が分からないからまた同じようなサイクルで回ってくるんですよ。

できない人のサイクルって多分ほとんどがそれだと思っていて、これは色々な人に当てはまると思うんですね。結局考えた先に答えがあって、答えを見つけないとまたその問題を解かなきゃいけなくなる。答えを初めに見つけちゃえば、次に進めるわけです。逆に言うと、打てている時も、それまでに準備ができているから打てている。それまでに必要なアプローチをしているから打てているんですよ。


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