ジャケット38万6100円、パンツ12万6500円/ともにダンヒル 0800-000-0835、ニット3万9600円/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー 03-5784-1238)、スニーカー1万5400円/コンバース 0120-819-217、ソックス1430円/ホイサム hoisum-mart.com、メガネ6万4900円/アーレム(グローブスペックス エージェント 03-5459-8326)、腕時計176万円/ピアジェ 0120-73-1874
クール&ウォームビズの影響によるドレスコードの緩和は、コロナ禍でのリモートワークによって一段と進んだ。タイドアップしたスーツ姿は、画面越しでは堅すぎたのだ。
人と人が再び会うようになった現在もその流れは変わらず、福光さんの言うように進化として定着した観がある。だが、こうした新しい流れには新しい流儀が必要でもあると、福光さんは言う。
「服や着こなしが変わっても、ビジネススタイルである以上は、周囲に不快感を与えないことがとても大切。そのためには清潔感や身だしなみが不可欠です。スーツの汚れやシワ、臭いのケアだけでなく、髪型を整えたり、爪を切ったりすることも大事でしょう。
また今回のようなスーツの着崩しは、きちんと着るよりもずっと難しい。クールビズもただネクタイを外せばいいと思っている人が多いですが、僕はそうじゃないと思う。
崩してもきれいに見え、なおかつ周囲に不快感を与えないセンスが必要だと思うんです」。
福光さんが絶賛した薄い肩パッド入りの凛々しいスーツは「ダンヒル」の逸品。トラディショナルな英国スタイルを現代的にアップデートさせた、ベルグレイヴィアフィットを採用している。
慣れ親しんだコンバースのアイコンであり、品の良さも感じさせる「ジャックパーセル ローファー」は、クラシックなスーツとも相性が良く、足元のハズしには打ってつけ。
新時代に見合ったセンスを磨き上げ、時代の進化へ柔軟に対応する。そんな着こなしの流儀は、老舗企業の舵取りにも通じるに違いない。
「今回のダンヒルのようなエレガントなスーツは、着流すのもいいですが、きちんとタイドアップして着るのもやはり格好いい。
これからはスーツをきちんと着るセンスと着流すセンスの両方を持ち、TPOに合わせて着分けていきたいですね」。
福光屋 14代目 福光太一郎さん●大学卒業後に語学留学のため渡米し、帰国後は東京の不動産会社やアパレル会社に入社。2010年に福光屋へ入社し取締役に就任。21年ラグジュアリーな日本酒ブランド、F1625を創設。現在は専務取締役を務める。
OCEANS5月号「青い服」から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!